図1 N記者が購入してきた「T2」タイプの星型ドライバー
図1 N記者が購入してきた「T2」タイプの星型ドライバー
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図2 メイン基板の表側
図2 メイン基板の表側
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図3 メイン基板の表側からシールドを取り外した上体
図3 メイン基板の表側からシールドを取り外した上体
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図4 背面側のカメラ・モジュールの接続部
図4 背面側のカメラ・モジュールの接続部
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分解その5

 「T2」タイプの星型ドライバーがなく、やむなく分解作業を中断する。それから約40分。同ドライバーを探していたN記者が戻ってきた。

 「最後の1本だったよ」
そう言いながら、誇らしげにT2タイプのドライバーを机の上に静かに置いた(図1)。あなたは分解班の宝です!

 さっそく中断していた分解作業を始める。そこからは、あれよあれよという間に、基板類が取り外されていく。3Gモジュールを取り外した後、左側の中型基板を外す。そして、ついにメイン基板を取り出すことに成功した(図2)。さらにシールドをはがす。これでようやくメイン基板の全貌が明らかになった(図3)。

 メイン基板の表側には、大きなチップが二つある。一つは、黒いチップでどうやらアプリケーション・プロセサのようだ。もう一つは、おそらく電源制御ICとみられる。しかし、パッケージ・サイズは大きく、色も白っぽいなど、携帯機器ではあまり見られないタイプのICである。

 このほかにも、見慣れない部品があった。それは、カメラ・モジュールのFPCを接続する、メイン基板側のコネクタである。一般的に、こうしたコネクタは樹脂性である。ところが、PS Vitaで使われているのは金属製。「おそらく、電磁雑音の発生を抑える目的ではないか」(コネクタに詳しいある技術者)とみる。前面カメラと背面カメラ、いずれも320×240画素で120フレーム/秒、640×480画素で60フレーム/秒とフレーム速度が速い。高速な分、伝送路となるFPCから発生する電磁雑音の影響も大きくなるわけだ。そのため、この金属製のコネクタは高速カメラへの対応と考えられる。

続いて、背面タッチ・センサや有機ELディスプレイの搭載部の分解を試みる。

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