図1 8Gバイトのキャッシュ用SSDを追加したパソコンにExpressCacheを導入することで、Windows 7やアプリケーション・ソフトの起動時間が50%程度短くなる様子を見せていた(ディスプレイ上の数字が所要時間。左が通常のパソコン、右がSSDキャッシュを搭載したパソコン)
図1 8Gバイトのキャッシュ用SSDを追加したパソコンにExpressCacheを導入することで、Windows 7やアプリケーション・ソフトの起動時間が50%程度短くなる様子を見せていた(ディスプレイ上の数字が所要時間。左が通常のパソコン、右がSSDキャッシュを搭載したパソコン)
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 米Diskeeper社は、HDDのキャッシュとして小容量のSSDを利用することでパソコンの動作速度を高めるためのソフトウエア「ExpressCache」を開発し、「COMPUTEX TAIPEI 2011」に出展した。500GバイトのHDD(5400RPM)を1基搭載したパソコンと、同じハードウエア構成に8Gバイトのキャッシュ用SSD(米SanDisk社製、mSATA接続)を加えたパソコンでWindows 7の起動やアプリケーションの起動などの動作を比較し、起動に要する時間を50%程度に短縮できる様子を見せていた。

 ExpressCacheは、アプリケーション・ソフトウエアの読み/書きを観察し、仕様頻度が高いデータをSSDに複製しておくソフトウエアであり、Windows 7の一つのコンポーネントとして動作する。キャッシュ用SSDの容量は問わないが、効果的なのは4Gバイト以上だとする。「現在のSSDの価格と効果のバランスから考えると、8Gバイト程度が最適だろう。SSDの容量に比例して速くなるわけではないため、パソコン・メーカーがSSDの価格に応じて容量を選択してくれればいい」(同社 Vice President, OEM Business DevelopmentのModesto Rodriguez氏)。Diskeeper社はExpressCacheをパソコン・メーカー向けに販売していく。

 米Intel社も同様の技術「Smart Response Technology」を発表している(Tech-On!の関連記事)。これについてDiskeeper社は、「ExpressCacheの優位性は、SSDやHDDの容量や種類、およびパソコンのハードウエア構成を問わない点にある」(Rodriguez氏)とする。Intel社はSmart Response Technologyを、Z68チップセット限定の技術と説明しており、20GバイトのSSDの利用が最適であるとしている。「しかもIntel社が使うのは、価格が高いSLC方式のSSDだ。ExpressCacheを使ってMLC方式の8GバイトSSDを利用すれば、SSDの価格が1/4程度で済む」(Diskeeper社のRodriguez氏)。