図1 「偏光フィルタ方式」を採用した3Dテレビ「REGZA ZP2」。
図1 「偏光フィルタ方式」を採用した3Dテレビ「REGZA ZP2」。
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図2 メガネは20gと軽い。
図2 メガネは20gと軽い。
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図3 東芝の大角氏。
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 東芝は2011年4月20日、3次元(3D)映像の表示に「偏光フィルタ方式」を採用した液晶テレビ「REGZA ZP2」シリーズを発表した(発表資料)。画面サイズが32型と26型の2機種であり、2011年6月上旬に発売する。市場想定価格は、32型品が15万円前後、26型品が13万円前後。

 ZP2は、東芝として初めて3D映像の表示に偏光フィルタ方式を採用したモデル。この方式は、偏光フィルタを貼り付けた液晶パネルに左目用と右目用の映像をそれぞれ表示し、偏光メガネを用いて見るものだ。海外メーカーでは、韓国LG Electronics社が推進している(Tech-On!の関連記事)。

 偏光フィルタ方式の3Dテレビは、アクティブ型の液晶シャッター搭載の専用メガネを用いる「フレーム・シーケンシャル方式」の3Dテレビに比べて、「明るくちらつきが少ない映像が見られる」(同社の説明員)。さらに、専用メガネは偏光フィルタを貼り付けるだけであるため、重さが20gと軽い。欠点として、垂直方向の画素数が1/2に低下するが、「画面サイズが32型と26型であれば、その影響は比較的少ない」(同)とする。

大型の裸眼3Dテレビは秋以降に


 
 東芝はこれまで、フレーム・シーケンシャル方式の3Dテレビを推進してきた。同日に発表された上位モデルの「ZG2」シリーズでも同方式を採用している。さらに、2010年12月からは他社に先駆ける形で裸眼での3D表示に対応した20型と12型の液晶テレビ「グラスレス3D REGZA GL1」を販売している(Tech-On!の関連記事)。今回の偏光フィルタ方式を含め、3種類の3D表示方式を手掛ける数少ないメーカーといえる。

 こうした状況に、東芝の大角正明氏(同社 執行役上席常務 デジタルプロダクツ&サービス社 社長)は、「東芝としての最終ゴールはあくまでもグラスレス(裸眼)。この考えは、2011年末に(裸眼対応品を)市場投入してから変わらない」と説明した。ただし、「グラスレス3Dは表示性能やコストなど乗り越えなきゃいけない課題が多い。今年の秋以降には大型(の裸眼3D対応)品を投入するが、それが一般的な機能になるのは2~3年かかる。用途や画面サイズ、時期に応じて最適な製品を投入していく」(同氏)という考えを示した。

 なお、2010年12月に発売したグラスレス3D REGZA GL1の販売状況については、「月販1000台という目標の1/2程度だが、コンスタントに売れている。一定の評価は得られたのではないか」(東芝の大角氏)とした。