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 NTTドコモ 代表取締役社長の山田隆持氏は,同社が1年間に投入する40~50機種程度のうち,2011年度はほぼ半数をスマートフォンにすることを明らかにした。2011年2月24日に都内で開催した新製品発表会(Tech-On!の関連記事)の質疑応答で語ったものである。以下に,質疑応答の主な内容を紹介する。

――本日発表した「MEDIAS」と「Xperia arc」について,MEDIASは防水タイプ,Xperia arcはおサイフケータイなどに対応したタイプの投入をそれぞれ検討しているとの説明があった。もう少し詳しく教えてほしい。

山田氏 2011年夏モデルとして販売するべく,開発にとりかかっているところだ。

――これまで,春商戦は「フィーチャーフォン」(従来型の,いわゆる「ケータイ」を指す)が売れる時期と位置付けられていた。今回3機種のスマートフォンを投入するが,春商戦に変化が起きたということか。

山田氏 確かに今までの春商戦はフィーチャーフォンが主だった。新入学した高校生などに買ってもらえる時期だったからだ。2010年11月ごろから,スマートフォンへの関心が一気に高まってきており,我々の調査では高校生でも「スマートフォンを持ちたい」という人が徐々に増えてきている。3~4割がスマートフォンになるのではないか。

 2011年1月のスマートフォン販売実績では,35~40%を女性が占めた。そして,50歳以上が約15%だった。女性にもシニア層にも拡大しているという事実が,スマートフォンのニーズ拡大を物語っている。

――年間,スマートフォンを何機種投入する計画なのか。

山田氏 現在,夏モデルの計画はある程度固まっており,冬モデルは一部検討中のものもあるという状況だ。2011年度は,スマートフォンとフィーチャーフォンの数を同程度にするつもりだ。通常,夏モデルと冬モデルで40~50機種程度出しており,今年もそのくらいの数字になる。そのうちの半分以上がスマートフォンになる。

――SIMロック解除機能は,いつから,どの機種に入れていくのか。

山田氏 2011年4月以降に新たに発売する機種については,SIMロックを解除できるソフトウエアを組み込んで販売する。顧客がその端末をドコモの販売店に持ち込んで解除を希望したら,「解除したらこうなりますよ」という基本事項を説明し,それを了解してもらった上で解除する。対象機種は,4月以降に発売する機種すべてだ。フィーチャーフォンもスマートフォンもどちらにもSIMロック解除ソフトウエアを組み込む。

――今回発表した3機種(MEDIAS,Xperia arc,「Optimus Pad」)は,すべて2011年3月中の発売だ。SIMロック解除機能を入れる前に出したかったということか。

山田氏 良い製品を早く顧客に届けたいと考えたからだ。夏モデルに入れてしまうと,早くて5月,普通だったら6月になってしまう。スマートフォンへのニーズが一気に高まっている中,良いものを早く出したいと思って3月中に発売することにした。

――Apple社が「iPad 2」を間もなく発表するとみられる。タブレット端末の市場ではiPadが非常に人気を博しているが,Optimus Padや「Galaxy Tab」でどの程度のシェアを取れると思っているか。

山田氏 例えばGalaxy Tabでは,持ち運びが便利,電話もできる,といった優位性を打ち出しながらiPadとの販売競争をやってきた。今回のOptimus Padはタブレット専用のAndroid 3.0を採用したほか,ビジュアル・エンタテインメントに適した端末となっている。勝った/負けたではなく,ユーザーの色々な使い方に合った端末を提供していきたい。

 我々はAndroid OSを根幹に製品開発をしていきたい。OSを自由に触れるおかげで,(ISPサービスの)SPモードもできたし,ワンセグもおサイフケータイもできた。いつも言っているようにApple社の製品の取り扱いをあきらめたわけではないが,開発のメインはAndroidだ。

――Optimus Padは音声通話機能に対応するのか。音声通話非対応の端末を「スマートフォン」と称することには違和感がある。

山田氏 Optimus Padは音声通話機能に非対応だ。このOptimus Padも,大きな意味でのスマートフォンの範ちゅうに入ると考えている。