同日に開催した決算発表の席で,状況を説明した
同日に開催した決算発表の席で,状況を説明した
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 日立製作所は2010年11月2日,100%子会社でハードディスク(HDD)事業を手掛ける日立グローバルストレージテクノロジーズ(日立GST)の新規株式公開に向けた検討を開始したと発表した(PDF形式の発表資料)。

 ニューヨーク証券取引所もしくはナスダック(NASDAQ)への上場を目指す。日立GSTは新規株式公開によって得た資金を,現在進めている投資や研究開発,事業運営などに活用していく。

 日立GSTは,2003年にIBMのHDD事業を日立製作所が買収し,自身のHDD事業と統合して設立した会社。会社発足後,数年間は巨額の赤字を計上し続けたが,構造改革で収益性が改善し,ここへきて「きちっと利益ができるようになった」(日立製作所 執行役副社長の三好崇司氏)という。

 とはいえ,HDDは需要変動の激しい市況商品。日立製作所は「社会インフラ+ITの融合」と「材料・キーデバイス」から成る「社会イノベーション事業」と呼ぶ領域に注力する戦略を掲げる。同日に開催した記者会見で三池氏は「今後,HDDなどの事業とは距離を置いていく」とし,構造改革を進める方針を強調した( Tech-On! 関連記事)。