図1 無線LAN対応機器を3G回線経由でインターネットに接続するための製品を提供
図1 無線LAN対応機器を3G回線経由でインターネットに接続するための製品を提供
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図2 NTTBPとバッファローが共同開発した携帯型無線LANルータ
図2 NTTBPとバッファローが共同開発した携帯型無線LANルータ
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図3 「F-06B」(右手前),「N-04B」(左手前),「N-08B」(奥)の3機種が無線LANの「アクセスポイントモード」に対応
図3 「F-06B」(右手前),「N-04B」(左手前),「N-08B」(奥)の3機種が無線LANの「アクセスポイントモード」に対応
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 NTTドコモは2010年5月18日に開催した2010年夏モデルの発表会(Tech-On!の関連記事)で,無線LAN通信機能を備える機器を3G回線経由でインターネットに接続可能にするための製品を発表した(図1)。携帯型無線LANルータを2010年6月下旬に発売するほか,新たに発売する3機種の携帯電話機に無線LANルータ機能を搭載する。さらに通信料の値下げや割引キャンペーンを実施する(発表資料1発表資料2)。

 携帯型無線LANルータは,エヌ・ティ・ティ・ブロードバンドプラットフォーム(NTTBP)とバッファローが共同開発したもの(図2)。WAN側はNTTドコモの3G回線と無線LAN,LAN側は無線LANにそれぞれ対応する。付属するクレードルはEthernet端子を備えており,この無線LANルータをクレードルに設置するとWAN側にEthernetを用いる。NTTBPが2009年7月に発表したコグニティブ無線LANルータ「Personal Wireless Router」(Tech-On!の関連記事)を基に開発したという。NTTBPとバッファローは2010年5月25日に本製品の詳細を発表する予定である。

 NTTドコモはこの携帯型無線LANルータやデータ通信専用端末の通信料金を割り引くキャンペーンを行う。2年間の継続利用を条件とする2段階定額の料金プラン「定額データプラン スタンダード バリュー」において,新規申し込みから1年間,上限料金を月額5985円から同4410円に値引きする。このキャンペーンは2010年6~9月の期間限定で実施する。

 無線LANルータ機能を搭載する携帯電話機は,「F-06B」(富士通製),「N-04B」「N-08B」(いずれもNEC製)の3機種を新たに提供する(図3)。携帯電話機の操作で「アクセスポイントモード」を選ぶと,無線LAN対応機器を3G回線経由でインターネットに接続できる状態になる。これまでのアクセスポイントモード対応機種は1台の機器しか接続できなかったが,今回発売する3機種は最大4台まで接続できる。

 無線LAN対応機器からの接続要求に応じて,自動でアクセスポイントモードに切り替わる機能はない。「現在の端末とネットワークは,シングルセッションにしか対応していない。このため,自動でアクセスポイントモードに切り替えると,ユーザーが気付かないうちにメールがサーバーにたまっているといった状況になりかねない」(説明員)。現状では,ユーザーが明示的にモードを切り替える形態を採る必要があるという。

 NTTドコモは,アクセスポイントモードで無線LAN対応機器を3G回線に接続するときに適用される通信料金を,2010年6月に改定する。パケット通信料の2段階定額プラン「パケ・ホーダイ ダブル」においてパソコンなどの外部機器を接続した通信を行う場合の上限を,現行の月額1万3650円から同1万395円に引き下げる。