ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の「torne(トルネ)」は,「プレイステーション3(PS3)」で地上デジタル放送の視聴・録画を可能にする周辺機器である。その操作の「快適さ」や「楽しさ」がユーザーに受け入れられて,2010年3月18日発売以来,品薄状態が続く人気商品になっている。そこでUIデザイナーやコンサルタント,テレビ開発者といった専門家に,torneを利用してもらいその快適さと楽しさについて分析し,日経エレクトロニクス2010年4月19日号に掲載した(関連記事)。今回は,日経エレクトロニクスとの連動記事として,同号で取り上げた事例の一部を,動画を用いて紹介する

*なお,この記事での動画は,SCEが作成した映像を編集してTech-On!が作成したものです

 torneの最大の魅力は,快適な操作を実現したGUIにある。例えば,番組表の拡大・縮小や,選択カーソルの縦横への操作を目にも止まらぬ速さで実行する(動画1)。所望の番組を録画予約したり,録画済み番組を視聴したりするときに利用する番組検索も速い。ジャンルや日付,キーワードで検索すると,その結果をほぼリアルタイムに表示できる(動画2)。検索項目を変えるたびに,その結果が瞬時に書き換わる。

動画 動画1 トップ・メニューにある番組表のメイン・アイコンを選択,
番組表上のカーソルを動かして見たい番組を探す。カーソルを
合わせて決定ボタンを押すと番組の表示が始まる。
(約11秒の動画)

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動画 動画2 番組検索の様子。ジャンルや日付,キーワードで検索
すると,その結果をほぼリアルタイムに表示できる。
(約12秒の動画)

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 録画番組の再生中には,ボタン一つで,番組全体を一定の時間ごとに区切ったサムネイル画面が一瞬にして表示される(動画3)。区切る時間単位を細かく変更することが可能だ。サムネイルの内容を確認しながら,番組を早送りして,所望する場面を瞬時に検索し,視聴できる(動画4)。


動画 動画3 番組表を通じて録画予約をしている場面。続いて,
テレビ番組を視聴中に,その番組を録画する様子が流れている。
画面右に表示される録画用のメニュー画面は情報量が少なくて
シンプルである。
(約13秒の動画)

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動画 動画4 録画番組を再生している様子。再生,停止,早送りなどを
行っている。また,番組全体を一定の時間ごとに区切ったサムネイルが
瞬時に表示される。
(約12秒の動画)

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 こうした高速な動作は,PS3が備えるマイクロプロセサ「Cell Broadband Engine(以下,Cell)」とグラフィックスLSI「RSX」を利用することで実現したものである。加えて,従来の赤外線方式のリモコンに比べて,キー操作の応答が速いBluetooth接続のPS3用コントローラやBlu-ray Disc(BD)用リモコンを利用できるようにして,操作を快適にしている。

凝った演出でストレスを軽減


 こうした快適性に加え,torneでは,アニメーションを多用した画面の演出やBGMの採用といった,ゲーム由来の要素をtorneに盛り込むことで操作自体が楽しくなることを目指している。例えば,番組を切り替える際,映像のフェードインやフェードアウトを用いた演出を導入している(動画5)。この演出を導入することで,切り替えを待つ時間をユーザーがストレスと感じないようにしている。

動画 動画5 切り替え先の番組を決定した直後,表示中のテレビ映像の
最終フレームの静止画をキャプチャし,そのままその静止画を拡大しな
がらフェードアウトしていく。同時に切り替え先の番組情報が画面中央に
表示される。その後,フェードインしながら切り替え先の番組を表示し,
チャンネル切り替えが完了する。
(約9秒の動画)

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(関連記事を日経エレクトロニクス2010年4月19日号に掲載)