図1 2010年4月1日付で執行役員社長に就任する山本正己氏
図1 2010年4月1日付で執行役員社長に就任する山本正己氏
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図2 代表取締役会長兼社長の間塚道義氏(左)は会長専任に戻る
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 富士通は2010年1月22日,社長交代を含む執行役員人事を発表した。現 執行役員常務 兼 システムプロダクトビジネスグループ長の山本正己(やまもとまさみ)氏が同日付で執行役員副社長に就任し,同年4月1日付で執行役員社長に就く(発表資料)。同社は山本氏の社長就任と併せて,新たに4人の執行役員副社長を任命する。現 執行役員副社長のリチャード・クリストウ氏に加え,石田一雄氏,藤田正美氏,佐相秀幸氏,生貝健二氏の4人が執行役員副社長に就く。2009年9月の野副州旦氏の辞任を受けて代表取締役会長と社長を兼任することになった間塚道義氏(Tech-On!の関連記事)は,代表取締役会長専任に戻る。

 山本氏は,1954年1月生まれの56歳。入社後しばらくはワープロ「OASYS」の開発に従事し,その後はパソコンの開発に携わるなど,「入社以来,ずっと機器の設計・開発にかかわってきた」(山本氏)。富士通では,戦時中などの混乱期を除けば「史上2番目の若さでの社長就任」(間塚氏)という。

 富士通は2009年10月に指名委員会を設置し,間塚氏に代わる新社長と,新社長を補佐する副社長の選定を進めてきた。山本氏を選んだ理由について間塚氏は「時代の変化の先端を歩んできた人物。IT産業が大きく変化しようとしている時期の富士通を牽引するのにふさわしい」と説明した。山本氏と新任の副社長4人が1950年代生まれと若いことについては,「経験の豊富さと若さを天秤にかけて,私は新しい人たちにやってもらうことに賭けた」(間塚氏)とした。

 新社長の山本氏は今後の富士通の課題として,グローバル展開を挙げた。「構造改革が進み,会社の体質はかなり強くなっている。これからの富士通の成長を考えると,世界的なIT企業にならなければならない。社長として『若い』と言われるが,世界の競合企業のトップと比べると決して若くない。年齢などに関係なく,世界的なIT企業を目指して攻めの姿勢で経営に臨む」(山本氏)と抱負を語った。