パナソニック電工が同社のFA事業を子会社のSUNXへと移管する背景には,FA市場が急速に縮小し,特にFA事業を主力とするSUNXの経営環境が悪化しているという事情がある。ただし,長期的には新興国を中心にFA市場は回復・成長する余地があるともパナソニック電工は判断している。SUNXとの統合で不況を乗り切り,将来的に巻き返しを狙うという。

 SUNXの2009年度上期(2009年4~9月期)の連結業績は,売上高が54億1400万円(前年度同期比51.7%減),営業損益が11億8300万円の損失(前年度同期は9億2100万円の利益)。設備投資の大幅な縮小の余波を受けている状況だ。同年度通期(2009年4月~2010年3月期)に関しても,前年度比で減収・営業損失幅拡大を見込んでいる。回復基調にあるが,厳しい状況は当面続きそうな情勢である。

 そこで,パナソニック電工のFA事業と一体化してこの不況を乗り切るための体力を付け,成長フェーズに備えるという狙いが,同社とSUNXにはある。特に,今回パナソニック電工からSUNXに移管される製品群のうち,通信機能を持つ電力計やデータロガーなどの省エネ支援機器は,不況下でも需要が底堅く,成長が期待できるという。

 省エネ支援機器のほかにSUNXに移管される製品群としては,PLC,表示器,画像処理機,リフロー炉,プラズマ洗浄機などがある。リレーやコネクタ,スイッチなどは移管対象ではない。