図1 パナソニック・グループの展示
図1 パナソニック・グループの展示
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 2009年10月6~10日まで開催された「CEATEC JAPAN 2009」には,家庭内への電力供給に従来の交流ではなく,直流を利用する「直流ハウス」の展示がパナソニックやTDK,シャープから相次いだ。3社に共通しているのは,将来的に太陽光発電や蓄電池が住宅に導入されれば,家庭内の機器の多くを直流のまま動かすことでき,省エネルギー効果が高まると主張していることである。

 パナソニック・グループの展示ブースでは,パナソニック電工が開発している,現状の交流の配線を残しながら直流も利用可能な「AC/DCハイブリッド配線システム」が展示されていた(図1,関連記事)。パナソニックが手掛ける家庭用燃料電池や家庭用Liイオン2次電池ユニットなどを組み合わせている(関連記事)。展示ブースでは,低電圧の機器に向けた直流コンセントのモックアップも披露していた(図2)。

 シャープは,「家電すべてをDC化」するとのコンセプトの下,太陽光発電や蓄電池,家電,電気自動車などを組み合わせた直流ハウスを見せていた。ステージでは,天気予報を基に太陽光発電の発電量の変動を予測し,余剰電力を電気自動車に充電するといった将来像を紹介した(図3)。蓄電池には,同社が株式の20.27%を保有する電池ベンチャーであるエリーパワーのLiイオン2次電池ユニットを用いていた(図4)。

 TDKは,同社製の色素増感太陽電池やフィルム状のアモルファスSi太陽電池,Liイオン2次電池ユニットなどを組み合わせた「エコホーム直流給電キット」を展示した(図5,関連記事)。Liイオン2次電池には,10Ahのラミネート型セルを用いているという。材料の詳細などは明かさなかったが,低温特性に優れ,-25℃の環境下でも常温時の60%の放電容量を確保したとしている。このほか,24V以下の機器の電圧に合わせて直流電力を供給可能な直流コンセントを試作し,デモンストレーションを実施していた(関連記事

図2 直流コンセントのモックアップ
図2 直流コンセントのモックアップ
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図3 シャープの展示
図3 シャープの展示
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図4 エリーパワー製のLiイオン2次電池ユニット
図4 エリーパワー製のLiイオン2次電池ユニット
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図5 TDKの展示
図5 TDKの展示
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