図1 白色LEDをバックライトに採用した液晶テレビ「LED AQUOS LX」シリーズ
図1 白色LEDをバックライトに採用した液晶テレビ「LED AQUOS LX」シリーズ
[画像のクリックで拡大表示]
図2 シャープ 代表取締役 副社長執行役員 商品事業担当の松本雅史氏
図2 シャープ 代表取締役 副社長執行役員 商品事業担当の松本雅史氏
[画像のクリックで拡大表示]
図3 「UV2A」モード(左)と従来のVAモード(右)の比較
図3 「UV2A」モード(左)と従来のVAモード(右)の比較
[画像のクリックで拡大表示]
図4 40型品に搭載されている白色LEDバックライト
図4 40型品に搭載されている白色LEDバックライト
[画像のクリックで拡大表示]
図5 消費電力は30%以上削減
図5 消費電力は30%以上削減
[画像のクリックで拡大表示]
図6 「スポーツ」について3種類のデモ画像からユーザー自身が好みの画像を選択する画面
図6 「スポーツ」について3種類のデモ画像からユーザー自身が好みの画像を選択する画面
[画像のクリックで拡大表示]

 シャープは2009年9月29日,白色LEDをバックライトに採用した液晶テレビ「LED AQUOS LX」シリーズを発表した(図1,ニュース・リリース)。画面寸法は,60型,52型,46型,40型の4種類。白色LEDをバックライトに使用する液晶テレビを,同社が国内市場に投入するのは初となる。「今後,すべての液晶テレビのバックライトをLEDに切り替えていく」(図2,同社 代表取締役 副社長執行役員 商品事業担当の松本雅史氏)という。2009年10月6~10日に幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN 2009」に出展する予定。

テレビ・コントラスト比は200万対1に

 LXシリーズは,液晶パネルに2009年9月16日に発表した表示技術「UV2A」を採用する(図3,Tech-On!の関連記事)。UV2Aでは,紫外線光を用いて液晶分子の配置方向(配向)を制御する。液晶分子の制御は,技術発表時と同じく4方向(4ドメイン)であり,1画素は二つの領域(サブ・ピクセル)に分割している。リブ(突起物)やスリットを用いて,液晶分子の配向を制御する一般的なVA(vertical alignment)モードの液晶パネルに比べて,開口率が20%以上,パネル単体のコントラスト比は1.6倍の5000対1を実現する。

 バックライト光源の白色LEDは,パネルの直下に配置する(図4)。搭載する白色LEDの個数は「回答できない」(シャープ)とした。入力映像信号を解析し,白色LEDバックライトの輝度を制御することにより,映像表示時のコントラスト比で200万対1を実現する。LEDバックライトの輝度制御はパネル全面に対して実施しており,部分制御(ローカル・ディミング)は施していない。

年間消費電力量は従来比30%以上の削減,画質も強化

 LXシリーズは,開口率の高い液晶パネルと発光効率の高い白色LEDを使用することで,消費電力を削減したとする(図5)。LXシリーズの52型品の年間消費電力量は168kWh/年。同社の2008年モデルである「AQUOS GX5」シリーズの52型品は255kWh/年であり,年間消費電力量を34.1%以上削減したとする。

 表示性能を高めるために,画像処理LSI「AQUOS高画質マスターエンジン」を新たに開発した。液晶パネル側で60フレーム/秒である映像のフレーム間に補間画像を1枚挿入させて120Hzで駆動する「Wクリア倍速」機能に加えて,LEDバックライト側で光源のオン・オフ制御で部分的に黒画面を挿入し映像の残像感を低減する「スキャン倍速」機能を新たに搭載した。このほか,46型以上のモデルでは,六つのスピーカーをテレビの左右と下部に配置するなど,音質も高まったとする。

 加えて,ユーザーが好む画質や音質を自動的に制御する「好画質センサー」機能を搭載する。液晶パネル下部に設置したセンサが,周囲環境の明るさと色温度を測定するほか,入力信号から映像コンテンツを解析し,画質や音質を自動で制御する。さらに,「映画」「スポーツ」「ビデオ」についてそれぞれ3種類のデモ画像からユーザー自身が好みの画像を選択できる機能も備えた(図6)。

 画面寸法と市場想定価格,発売日は下記の通り。
<LED AQUOS LXシリーズ>
60型:55万円前後,2009年11月25日発売
52型:45万円前後,2009年11月10日発売
46型:35万円前後,2009年11月10日発売
40型:25万円前後,2009年11月10日発売

■関連記事:「AQOUSで毎日新聞を読む」,電子新聞の実証実験開始に合わせてシャープがデモ

■変更履歴
記事掲載当初,「年間消費電力量」を「年間消費電力」と記載しておりました。加えて,単位についても「kW/年」としていましたが,「kWh/年」の誤りです。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。