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 米国の最大手書店であるBarnes & Noble社は,2009年7月20日(現地時間),同社のWebサイトに電子書籍ストアをオープンした。用意するコンテンツ数は70万で,「世界最大の電子書籍ストア」(同社)であることをアピールする。このコンテンツには,米Google Inc.が用意するパブリック・ドメインの50万コンテンツを含むという。

 Barnes & Noble社はかねて,2009年内に電子書籍市場に参入し,同市場で先行する米Amazon.com,Inc.に対抗することを表明していた(日経エレクトロニクス2009年6月29日号の特集記事「電子書籍 メジャーのページをひらく」参照)。なおAmazon.com社が現在,「Kindle Store」に用意するコンテンツの数は30万強である。

各端末に対応するソフトウエアの無料ダウンロードが可能

 Barnes & Noble社が立ち上げた電子書籍ストアは,「Every Device」戦略を採る。つまり,特定の端末ではなく,さまざまな端末を利用してコンテンツを読むことができる。この戦略は,基本的にKindleでしかコンテンツを読むことができないAmazon.com社のKindle Storeとは一線を画す。

 Barnes & Noble社の電子書籍ストアでは現在,以下の4種類の端末に向けたアプリケーション・ソフトウエアを無料でダウンロードできる。
・米Apple Inc.のiPhone/iPod Touch
・カナダResearch In Motion Ltd.のBlackBerry
・米Microsoft Corp.の「Windows」を利用したパソコン
・Apple社の「Mac OS」を利用したパソコン

 このソフトウエアには,サンプルとして幾つかの無料コンテンツが付属しているという。

Plastic Logic社の端末にも対応へ

 Barnes & Noble社は,電子書籍ストアの立ち上げに合わせて,米Plastic Logic社と提携することを明らかにした。同社は現在,10型クラスのフレキシブル電子ペーパーを搭載した電子書籍端末を開発しており,2010年初めの発売が予定されている。この端末は,Barnes & Noble社の電子書籍ストアに対応することになるという。