2010年にLTE(Long Term Evolution) ネットワークおよびLTEベースのサービスを提供する通信事業者は少なくとも12事業者に上る---。米ABI Research社は,このような予測を発表した(発表資料)。さらに,ケーブルやDSLを使った通信に匹敵する通信速度を持つ高速のデータ・サービスの加入者は,2010年までに世界全体で3400万人近くに達する見通しという。

 ABI Research社によれば,LTEネットワークの敷設計画に最も影響を与えているのは,周波数の提供の可能性という。通信の監督機関が周波数の割り当てを実施している米国やスウェーデン,中国といった国では,多くの通信事業者がLTEサービスを開始する計画を発表している。一方,周波数の割り当てをしていない国では,通信事業者はLTEサービスの計画を延期しているという。

 具体的にLTEサービスの提供を計画している事業者は,米国ではVerizon Wireless社やMetroPCS Wireless社,U.S. Cellular社。日本ではNTTドコモとKDDI,欧州ではスウェーデンTeliaSonera社やスウェーデンTele2社,ノルウエーTelenor社。このほか,中国では2011年にChina Mobile Ltd.が,韓国では2010年にKT社とSK Telecom社がLTEサービスの開始を計画している。

 この中のいくつかの通信事業者は,既に基地局装置開発メーカーなどと契約した。Verizon Wireless社と契約した主なメーカーは,フランスAlcatel-Lucent社, スウェーデンEricsson社, 米Starent Networks社(Tech-On!の関連記事)。 日本では,NTTドコモがEricsson社やNEC,富士通と契約している(同2)。欧州のTeliaSonera社は,既にEricsson社や中国Huawei Technologies Co., Ltdと契約したが,Tele2社およびTelenor社はHuawei Technologies社を選びそうだという。