富士通とNECは,NTTドコモが推進する次世代通信方式「Super3G」の装置開発メーカーとして選定されたことをそれぞれ発表した(NECの発表資料)(富士通の発表資料)。富士通は基地局装置を,NECは端末の共同開発を手がける。端末に関しては,2009年の開発完了が目標になるという。

 Super3Gは,W-CDMAの拡張技術であるHSDPA/HSUPAをさらに発展させた規格。3GPPではLTE(Long Term Evolution)として標準化が進んでいる。NTTドコモはSuper3G用装置の共同開発メーカーを,2006年7月から募集していた(Tech-On!の関連記事)。

 Super3Gのデータ伝送速度は下り方向で100Mビット/秒,上り方向で50Mビット/秒以上という。遅延時間が非常に短いと言う特徴がある。基幹ネットワークなどに第4世代移動体通信システムで利用する技術を先行導入する予定で,「3Gから4Gへの移行をスムーズにするためにSuper3Gを活用する」(NTTドコモ)狙いがある。4Gのエアー・インタフェースが決まり次第,その部分を加えて利用できるようにするという。

 富士通によれば基地局側には,複数のアンテナを使って高速化を図るマルチアンテナシステムなどの技術を用いる。またNECによれば,開発はパナソニックモバイルコミュニケーションズも協力して進めるとしている。