新工場の外観
新工場の外観
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 凸版印刷は,埼玉県深谷市に建設を進めてきた機能性フィルムの新工場を2009年4月13日,竣工した(発表資料Tech-On!関連記事)。新工場では太陽電池モジュールの背面に貼り付けて使う保護フィルム,いわゆるバックシートを量産する。生産能力は太陽電池の発電量換算で2GW/年。2008年8月の着工時点では1GW/年としていたが引き上げた。生産技術の革新などにより上方修正できたとする。

 凸版印刷は,2008年7月に米E.I. du Pont de Nemours & Company(DuPont社)とポリフッ化ビニル樹脂の加工に関する技術移転契約を締結(Tech-On!関連記事)。DuPont社のポリフッ化ビニル樹脂フィルム「テドラー」の商標を使用して世界販売する権利も得ている。新工場では,この契約に基づき,DuPont社から供給されるテドラーの原料を元にしたバックシートを年間1GW生産する予定。このほか,太陽電池の用途や機能に応じて様々なバックシートを生産する。

 新工場では2010年に第2期拡張工事の着工を予定している。太陽電池用バックシートのほか,電子部材保護用のラミネート・フィルムなど各種高機能フィルム部材の製造拠点として活用していく。凸版印刷は2010年度(2010年4月~2011年3月)にこうした機能性フィルムで売上高300億円を目指すとした。