「フィンランドNokia Corp.が,携帯電話機の組み立ての外部委託契約を縮小したことによって,受託製造メーカーの売上高は50億米ドル以上減少する」。---米iSuppli Corp.はこんな内容のリポートを発表した(発表資料)。

 Nokia社は,世界的な携帯電話機の需要減退を受けて,EMS(electronics manufacturing service )メーカーやODM( original design manufacturers)メーカーへ,携帯電話機の組み立てを委託することをやめると発表した。同社は過去数カ月に渡って,携帯電話機の組み立て作業の内製化を進めている。Nokia社のこの方針は,携帯電話機の市況がいかに厳しいかを示しているとiSuppli社は説明する。

 iSuppli社によれば,Nokia社の外部委託の縮小は,EMS/ODMメーカーの売上高を50億米ドル以上を減少させる効果があるという。Nokia社は2008年に,携帯電話機の生産量の約17%を,香港Foxconn International Holdings Ltd.や欧州Elcoteq SE,米Jabil Circuit, Inc.などに外部委託していた。

 iSuppli社は現在,2009年のEMS/ODM市場の売上高を対前年比9.9%減の2708億米ドルと予測している(Tech-On!の関連記事)。しかし,Nokia社が新たなコスト削減施策を明らかにすれば,予測を下方修正する可能性もあるという。