米Intel Corp.は2009年3月16日,同社と米Advanced Micro Devices, Inc.(AMD社)が2001年に結んだ特許クロスライセンス契約をAMD社が違反したとする告知を,AMD社に伝えたことを発表した(発表資料)。AMD社が半導体製造の合弁企業として設立した米GLOBALFOUNDRIES Inc. (Tech-On!関連記事1同記事2)の設立の条件で,AMD社がIntel社とのクロスライセンス契約を違反したとIntel社は主張する。

 Intel社によると,同社とAMD社の特許クロスライセンス契約は,AMD社とAMD社の子会社が対象になるという。Intel社の主張は,GLOBALFOUNDRIES社が同契約の条件で定義した子会社に相当しないというものである。さらにIntel社によれば,GLOBALFOUNDRIES社が設立したAMD社とアブダビ首長国の投資会社Advanced Technology Investment Co.(ATIC)間の取引の構成は特許クロスライセンス契約の未公開条件を違反したという。

 米連邦政府に申請する「Form 8-K」の書類で,AMD社はIntel社の告知を受けたことを報告した。AMD社によると,Intel社の告知には特許クロスライセンス契約を違反したことに関する内容以外に,この違反が60日以内に解決しなければIntel社は同契約を無効にできるというの内容もあったという。Intel社の告知に対してAMD社は,同契約を違反したことを否定し,さらにIntel社には契約を無効にさせる権利もないと主張する。AMD社が公開したステートメントでは,今回のIntel社の行為は世界各地で進んでいるIntel社を対象とする独禁法違反の調査から世間の目をそらす手法だ,と主張している。