政府は2009年3月10日,著作権法の改正案を閣議で決定した。この改正案は,インターネットを通じて違法に複製された映像や音楽などのコンテンツを個人が入手することを禁じる,いわゆる「ダウンロード違法化」法案としてネット上で話題になっていたものである(関連記事1関連記事2)。

 入手の目的がコンテンツの再配布などを行わず,私的利用に限られる場合であっても違法となる。

ブラウザでの閲覧はセーフ,キャッシュからファイルを移すとアウト

 この場合,動画共有サイト「YouTube」などでの動画の閲覧は,動画が違法コピーであった場合,ただちに違法になるのか? この点について,文化庁著作権課は,「今回の改正案にはパソコンなど機械の中での自動的な複製については著作権侵害にあたらない,という著作権の適用範囲を制限する条項も併せて加わっている。つまり,Webブラウザでインターネットのコンテンツを閲覧するだけなら違法にならない」と説明する。

 違法となるのは,コンテンツの閲覧者が意図的なファイルの保存行為をした時。例えば,YouTubeでは,閲覧したコンテンツを一時的に保管するWebブラウザのキャッシュ・フォルダから,コンテンツを別のフォルダに移したり,iPodなど別の端末にコピーしたりした場合がそれにあたるという。