タッチパネル関連特許件数(出典:Displaybank社が2009年2月に発行した「Touch Screen Panel Key Patent Trend Analysis」)
タッチパネル関連特許件数(出典:Displaybank社が2009年2月に発行した「Touch Screen Panel Key Patent Trend Analysis」)
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 FPD関連の市場調査を手掛ける韓国Displaybank Co., Ltd.は,タッチパネルの世界市場に関する調査をまとめ,世界売上高が2007~2012年の間,年率35.1%で成長するとの予測を発表した。2008年の世界売上高は前年比43.2%増の17億7300万米ドル,2009年は同51.2%増の26億8000万米ドルを見込む。携帯電話機での採用が進んでいるため,世界不況の中でも市場が拡大している。2009年のタッチパネル世界売上高のうち,41%が携帯電話機向けになるとDispaybank社は予測する。

 2008年のタッチパネル生産量の地域別シェアは,台湾が28%を占めて首位,次いで日本が23%,米国が17%,中国が16%,韓国が6%となった。関連特許は,1978~2008年の有効特許件数のうち52%までを日本が占めている。2位の米国は23%,3位の韓国は20%を占める。日本と米国はパネルや関連部材,ユーザー・インタフェースなどタッチパネル関連全般に特許網を広げているが,韓国はタッチパネル関連特許のうち76%がパネル部分に関わるもので,やや偏りがある。

 この影響もあって,韓国製の携帯電話機に採用されるタッチパネルの9割が日本写真印刷や台湾JTOUCH Corp.といった海外製であるという。関連部材はさらに海外依存の傾向が強く,ITO(酸化インジウムスズ)フィルムは日東電工や尾池工業が,制御用ICは米Synaptics, Inc.や米Cypress Semiconductor Corp.,アルプス電気が韓国向け需要のほとんどをまかなっているとする。Displaybank社は,タッチパネル市場で優位に戦うためには関連部材分野に力を入れる必要があると指摘した。