Stringer氏が公開した七つの要件
Stringer氏が公開した七つの要件
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めざまし時計としてビッグ・ベンを表示するソニーのデジタル・ピクチャー・フレーム
めざまし時計としてビッグ・ベンを表示するソニーのデジタル・ピクチャー・フレーム
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同デジタル・ピクチャー・フレームがニュースを表示する様子
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 「2009 International CES」の初日に行われたソニーの基調講演で,chairman and chief executive officerであるHoward Stringer氏は,今後エレクトロニクス・メーカーが家電市場で成功するための七つの要件(imperatives)を明らかにした(発表資料)。その中の一つは「消費者は,あるメーカーの機器と異なるメーカーのサービスに互換性があることを期待する。このため,標準規格(オープン・スタンダード)への対応が望ましい」と述べて,視聴者の驚きを呼んでいた。特に米国市場で,ソニーはこれまでどちらかというと独自技術を強調する企業というイメージが強かったためである。

 Stringer氏の今回の基調講演で,ソニーの新たな方向性が見えたのは,同氏が米chumby industries社(chumby社)と提携して,新型のデジタル・ピクチャー・フレームの試作品を紹介したこと。chumby社は,ウィジェットを表示させるインターネット端末「chumby」(Tech-On!関連記事)のメーカーとして知られている。同社はchumby端末に関するハードウエアやファームウエアなどの仕様をオープンソースで公開して,本格的に「オープンな家電」を目指している。ソニーがchumby社のようなオープン化志向を持つ企業と手を組むのは,Stringer氏が述べた前述の要件をソニーが実行に移し始めたことの現れと言えるだろう。

 基調講演のデモで,ソニーのデジタル・ピクチャー・フレームはめざまし時計機能を有する英国の「ビッグ・ベン」の時計を表示した。その後,音楽ビデオを再生したり,ニュースを表示したりする画面に切り替えた。「これが次世代のSony Dream Machineになりそう」(Stringer氏)と述べた。

 ちなみに,chumby社はソニー以外にも,韓国Samsung Electronics Co.,Ltd.とも提携した。Samsung社は,chumby社と協力し,Samsung社のアプリケーション・プロセサ「S3C6410」を組み込んだ,chumby社の技術に基づくデジタル・ピクチャー・フレーム向けのリファレンス・デザインを発表した(発表資料)。このリファレンス・デザインを使うことで,chumby社が提供するウィジェットや他のサービスに対応できる。