経済産業省と環境省は,使用済み小型家電製品からのレアメタル回収に向けた検討を始める。両省が共同で研究会を設置,2008年12月2日に第1回目の会合を開く。

 研究会では,適正かつ効果的なレアメタルのリサイクル・システムの構築を目指して議論を進める。使用済み小型家電製品の回収活動で先行している自治体などと連携し,実際に幾つかの地域でさまざまな製品を多様な方法で回収することで,効率的・効果的な回収方法を見極める。小型化家電製品に含まれるレアメタルの量の実態把握なども進める。

 家電4品目(CRTテレビ,冷蔵庫,洗濯機,エアコン)や携帯電話機,パソコンについては,既にリサイクルの仕組みが確立している。家電4品目のリサイクルを対象とする,いわゆる「家電リサイクル法」では,2009年にも薄型テレビと衣類乾燥機が追加される見通し。

 一方,携帯型音楽プレーヤーやデジタル・カメラなどといった小型家電製品は,現時点でリサイクルの仕組みがない。しかし,一部には高価なレアメタルが使用されているため,廃棄された小型家電製品は「都市鉱山」として,その扱いを議論すべきとの声が高まっていた。2008年8月にはソニーと北九州市が共同で,使用済みの小型電子機器を回収し,レアメタルなどの金属材料のリサイクルに向けた実証実験を開始すると発表している(Tech-On!関連記事)

■関連記事:「リサイクル2011年問題」,日経エレクトロニクス2008年6月30日号の特集記事