イーモバイル 執行役員副社長 阿部基成氏。手にしているのは,通話可能な小型データ通信端末「H11LC」
イーモバイル 執行役員副社長 阿部基成氏。手にしているのは,通話可能な小型データ通信端末「H11LC」
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上り1.4Mビット/秒のデータ通信に対応するUSB接続型の端末「D21HW」
上り1.4Mビット/秒のデータ通信に対応するUSB接続型の端末「D21HW」
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中国Huawei Technologies製携帯電話の第2弾となる「H12HW」
中国Huawei Technologies製携帯電話の第2弾となる「H12HW」
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 イーモバイルは2008年11月6日,上り方向(送信)のデータ通信速度の高速化技術であるHSUPA(high speed uplink packet access)規格の通信サービスを11月20日から開始すると発表した(発表資料)。また,同サービスに対応するデータ通信端末を,11月20日以降に順次発売する。

 今回発表した通信サービスは,端末からの最大送信通信速度が1.4Mビット/秒(受信の最大速度はこれまでと同じ7.2Mビット/秒)と,従来の384kビット/秒に比べて3倍以上高速化した。「HSUPAのサービス実施は国内では初めて」(イーモバイル 執行役員副社長 阿部基成氏)という。発表会では,1Mバイトと2Mバイトのファイルを送信するデモを行い,それぞれ約8秒と約14秒で処理が完了した。通信速度を計測するWebサイトでチェックするデモでは,上りで1.3Mビット/秒の速度結果が出た。

 HSUPAサービスの提供エリアは,「11月20日のサービス開始時点で,現在のサービス提供エリアの約40%で利用できる。その後順次拡大し,2008年度中には現在7.2Mビット/秒のサービスを提供しているエリア(60~70%)に追いつきたい」(阿部氏)とする。

 新サービスに対応するデータ通信端末として,USB接続タイプの「D21HW」「D21LC」と,PCカード型の「D21NE」の三つを発表した。このうちD21HWは,USBの接続部分が可動式になっており,ノートPCに接続したときに本体を立てて使える(横にでっぱらない)のが特徴。いずれも初期費用は,ベーシック・プランで3万6980円(税込み)。

 また同社は,音声通話も可能なデータ通信端末「H11LC」と,日本語・英語・中国語の表示・入力が可能な携帯電話「H12HW」の2製品を併せて発表した。

 H11LCは,中国Longcheer Technology Co.,Ltd.製の端末で,USBケーブルでPCと接続することにより最大受信速度3.6Mビット/秒のデータ通信ができる。データ通信を主目的とした小型・軽量(約57g)の端末だが,本体だけで音声通話が可能。最大8GバイトのmicroSDカードに対応し,同カードに保存した楽曲データ(MP3形式)も再生できる。初期費用は,2万9980円(ベーシック,税込み)。11月20日から発売する。

 一方のH12HWは,中国Huawei Technologies Co.,Ltd.製の携帯電話機。イーモバイルが同社製の端末を販売するのは,2008年6月に発表した「H11HW」(Tech-On!関連記事)に続く2機種目となる。H11HWが折りたたみ式の端末であるのに対して,H12HWはストレート・タイプ。2.2インチのQVGA液晶を備える。設定によって,日本語・英語・中国語の表示・入力形式に変更できるのが特徴。17カ国(発表時点)で利用できる,イーモバイルの国際ローミングに対応する。初期費用は3万3980円(ベーシック,税込み)で,2008年12月に発売予定。