ロームの2008年度上期(4月~9月)決算は減収減益だった(PDF形式の発表資料)。売上高は前年同期比14.4%減の1707億9400万円,営業利益は同39.4%減の254億3500万円である。北京五輪の特需が「期待はずれ」(同社発表資料より)だったことや,先進国での消費が停滞したためにデジタル家電の中高級品が伸びなかったことなどで,半導体市況が悪化したという。

 集積回路事業の売上高は前年同期比17.5%減の732億6900万円と落ち込んだ。携帯電話機向け液晶ドライバICや車載オーディオ機器向けモータ・ドライバIC,パソコン向けファン・モータ・ドライバICなどの売り上げが低調だった。一方で,ゲーム機向けは全般に好調だったという。

 半導体素子事業の売上高は前年同期比12.3%減の720億900万円となった。バイポーラ・トランジスタや小信号ダイオード,半導体レーザなどの売り上げが低迷した。青色LEDや白色LEDは売り上げを伸ばしたとする。

通期の営業益は58%減に

 ロームは通期(2008年4月~2009年3月)の業績予想を修正した。売上高は前回予想に325億円上乗せして3735億円(ほぼ前年度並み)と上方修正したが,営業利益は155億円引き下げて285億円(前年度比57.7%減)と下方修正した。

 今回の予想には,前回予想には含まれていなかったOKIセミコンダクタの連結子会社化の影響を織り込んだ(Tech-On!関連記事1)。OKIセミコンダクタ分が加算されるため売り上げは当初計画を上回るが,OKIセミコンダクタは2008年7月~9月にも赤字を計上しており(Tech-On!関連記事2),収益体質の改善に費用がかかるとしている。これに関連して日本経済新聞社は2008年11月7日,同日付の朝刊で,ロームが2009年3月までに従業員1000人程度の削減を計画していると報じた(日経新聞の記事)。