図1 「MH2H(mobile home to home)」の概要
図1 「MH2H(mobile home to home)」の概要
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図2 外出先のDLNA対応機器から,自宅のパソコン内のコンテンツを視聴できる
図2 外出先のDLNA対応機器から,自宅のパソコン内のコンテンツを視聴できる
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 NTTドコモは,友人などの家を訪れたときに,その友人宅のテレビに自宅のパソコン内に保存してあるコンテンツを表示する技術「MH2H(mobile home to home)」を開発し,「CEATEC JAPAN 2008」に参考出展した。カメラで撮影した写真や映像などのコンテンツを知人に見せるといった用途を想定する。

 MH2Hは,無線LAN機能を備えた携帯電話機が友人宅のネットワーク上で仮想的なメディア・サーバーとして振る舞い,コンテンツの実体を自宅のパソコンからインターネット経由で伝送する技術である(図1)。家庭内ネットワーク内でコンテンツを共有するときの規格「DLNA(Digital Living Network Alliance)」を応用した。

 NTTドコモは既に,家庭内のコンテンツを外出先から携帯電話機で視聴・閲覧できるサービス「ポケットU」を提供している(Tech-On!の関連記事)。今回のMH2HはポケットUの次世代の機能として開発したという。「ポケットUによって,コンテンツをあらかじめ携帯電話機に蓄積しておかなくても好きなときに視聴できる環境が整った。しかし,ケータイのディスプレイは皆で見るには小さすぎる。感動を分かち合えるように,テレビが備える大きな画面に表示させたいと考えた」(NTTドコモ)。

ケータイが仮想的なDLNAサーバーに

 MH2Hは,無線LANに対応する携帯電話機を友人宅のネットワーク上でDLNAの「Digital Media Server」として利用できるようにする。コンテンツをストリーミング再生する「Digital Media Player」に相当する機器(今回のデモでは「プレイステーション 3」を利用)に対して,コンテンツを格納している場所として自宅のパソコンのIPアドレスを通知する。このとき,携帯電話機が携帯電話ネットワークを介してポケットUの専用ソフトウエアを搭載したパソコンに通知することにより,パソコンが外出先の機器からのHTTPリクエストを受け付けるようにする。こうした仕組みによって,家庭内ネットワークを想定しているDLNAを家庭間でのコンテンツ伝送に応用できるようにした(図2)。DMP機能を持つ機器であれば,特に仕様を変更することなくそのまま利用できる。

 またMH2Hには,携帯電話機が友人宅のネットワークに接続されているかを定期的に確認する仕組みを盛り込んだ。これによって,「携帯電話機の持ち主がその場にいるときだけコンテンツを視聴できる」(NTTドコモ)。

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