米Vishay Intertechnology, Inc.は,米International Rectifier Corp.(以下,IR社)に買収提案を行っていた件(Tech-On!の関連記事1)で,買収提案価格を引き上げたと発表した(発表資料)。Vishay社は,IR社の普通株式1株当たりに23米ドル支払うとした。この買い取り額は,Vishay社が最初に買収提案を公開した2008年8月15日の前日の終値に22%を上乗せした金額。買収提案の公開日から過去30日の終値の平均値と比べると,30%の上乗せに相当する。この金額で買収が成立すれば,買収総額は約17億米ドルとなる。Vishay社は,当初の提案でIR社の普通株式1株当たり21.22米ドルを支払うとしていたが,それと比べると1割弱引き上げたことになる。

 IR社は,2008年8月15日のVishay社の買収提案に対し,「Vishay社の提案は当社および当社の将来性を大幅に過小評価している」として,拒否することを発表していた(Tech-On!の関連記事2)。今回のVishay社の提案は,これを受けてのものである。

 Vishay社は,まもなくIR社の株式の公開買い付けを開始するとしている。一方,IR社は同社の株主に対して,Vishay社の提案に応じないよう求めるコメントを発表した(発表資料)。

 今回,Vishay社は,2008年10月10日に開催が予定されているIR社の年次株主総会で,IR社の取締役の選挙に3人の候補を推薦することも発表した。さらに,IR社の2007年度と2008年度の年次株主総会の開催が遅れたことについて,同社を訴える訴訟をDelaware Chancery Courtで始めたとしている。