米International Rectifier Corp.(以下,IR社)は2008年8月29日,米Vishay Intertechnology, Inc.が提案していた買収提案を拒否したと発表した(発表資料)。IR社の取締役会は,Vishay社の提案が「IR社および同社の株主にとって最大の利益にならない」と満場一致で決議したという。

 IR社の取締役会のChairmanであるRichard J. Dahl氏は,「当社が最近導入した戦略的計画を遂行したときに,株主が得られる利益と比較すると,Vishay社の提案は,当社および当社の将来性を大幅に過小評価している」とコメントを寄せた。IR社は,同社の戦略的計画を推進することによって,同社の株主はVishay社の買収提案よりも多くの利益を得られるとしている。

 IR社は,この取締役会の決定をVishay社の取締役会のExecutive ChairmanであるFelix Zandman氏とPresident兼Chief Executive OfficerであるGerald Paul氏に,書簡で伝えたという。

 Vishay社は2008年8月15日に,IR社に対して買収を提案したと発表していた(Tech-On!の関連記事)。Vishay社の提案は,IR社の発行済み株式のすべてを,1株当たり21.22米ドルの現金で買い取るというもの。この金額で買収が成立すれば,買収総額は約16億米ドルとなる。