ソニーは,Liイオン2次電池の生産体制増強に向け,約400億円を投じると発表した(発表資料)。国内製造拠点であるソニー エナジー・デバイスの本宮事業所と栃木事業所に新棟を建設し,生産設備を増設する。栃木事業所の新棟が2010年1月,本宮事業所の新棟は2010年9月に稼働を始める予定という。

 ソニーは中国とシンガポールにもLiイオン2次電池の製造拠点を構えており,シンガポールでは2008年8月末からポリマ型Liイオン2次電池の生産を始める。中国でもポリマ型の生産やパック加工を行っており,生産能力の拡大を進めているという。今回の投資を含む一連の増強により,ソニーのLiイオン2次電池の生産能力は現在の電池セル4100万個/月から2010年末には7400万個/月へ拡大する。

 ソニーは今回の国内投資を「第1フェーズ」と呼ぶ。同社は2010年度までの中期経営計画で,コンポーネント・半導体事業の強化に9000億円を投じるとしている(Tech-On!関連記事)。Liイオン2次電池向けには今回の投資を皮切りに,積極的に追加投資を検討するという意味をこめて「第1フェーズ」とした。現時点でソニーの小型Liイオン2次電池の世界市場シェアは2割程度といい,今後さらなる拡大を狙う。

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