イスラエルAMIMON Inc.,日立製作所,米Motorola Inc.,韓国Samsung Electronics Co.,Ltd.,シャープ,ソニーの6社は,AMIMON社が開発した無線伝送仕様「WHDI」の推進団体「WHDI Special Interest Group(WHDI SIG)」を設立した(発表資料)。

 WHDI(Wireless Home Digital Interface)は,非圧縮HDTV動画の無線伝送を実現する技術として,AMIMON社が採用を働きかけていたもの(Tech-On!関連記事その1)。既にシャープが液晶テレビにおいて,WHDI技術に基づくAMIMON社のチップセットを採用している(Tech-On!関連記事その2)。このほかソニーが,展示会などでAMIMON社のチップセットを使った試作品を見せていた。今回,AV機器メーカーと共同でWHDIの推進団体を設立したことで,今後さらに対応機器が増加することを期待している。AMIMON社は団体設立の背景について,「WHDIの基本技術に興味を持ったメーカーが多くあり,業界標準にする必要があった」(AMIMON社,co-founder and vice president of marketingのNoam Geri氏)という。

 WHDIは5GHz帯の周波数を利用して,最大1.5Gビット/秒のデータ伝送速度を確保できる。これを使い,720p/1080iのHDTV動画を伝送できる。伝送距離は,家庭内において約30mである。

 AMIMON社のGeri氏によれば,今後さらに3Gビット/秒まで高速化し,非圧縮の1080p(60フレーム/秒)の動画も伝送できるようになるという。一つの機器から,接続されているほかの機器を管理する制御プロトコルを備える。このほか新型の著作権保護技術を導入するという。2008年末までに,WHDIの標準仕様を定め,対応LSI製品も登場する予定とする。2009年中ごろまでに,WHDI標準対応の最終製品が市場に出荷されることを目指している。