「テレビに接続可能などの機器よりも,豊富なコンテンツを提供する――」(米Microsoft Corp. Senior Vice President, Entertainment and Devices Division, Interactive Entertainment BusinessのDon Mattrick氏)。
Microsoft社は,E3開幕の前日に催したプレス・イベント「Microsoft E3 2008 Media Briefing」 で,Xbox 360に映像コンテンツを配信する新たな提携企業を明らかにした(ニュース・リリース)。このほか,アバターを活用したソーシャル・ネットワーク・サービスや家族参加型ゲームの拡充を明らかにするなど,リビング・ルームのあらゆる娯楽をXbox 360に取り込みたいMicrosoft社の戦略を如実に示したイベントとなった。
Microsoft社は,レンタルDVD/ネット配信サービスの米Netflix社や,コンテンツ事業者の米NBC Universal社などから,番組や映画の配信を受ける。
Netflix社は今回,ゲーム機の中でXbox 360にのみコンテンツを提供する独占契約をMicrosoft社と結んだ。Netflixの会員で,かつXbox LIVE Gold Membershipの会員であれば,追加費用なしで1万本以上の映像コンテンツを視聴できるという。サービス開始は2008年秋の予定である。
これに加え,米国ではNBC Universal社,Universal Studios Home Entertainment社,SCI FI Channel社,USA Network社,米国以外ではConstantin,MGMが新たにXbox 360に番組や映画を提供する。
ゲーム・ソフトのビジネスではXbox 360が強い
Mattrick氏はイベントの中で,「サード・パーティ製ソフトウエアの売上高は,Xbox 360が他の二つの合計より大きい」との調査結果を示し,ゲーム・ソフトウエア業界からみたXbox 360プラットフォームの優位性を強調した。
NPD社によると,直近12カ月での北米市場のゲーム・ソフトウエアの売上高は,PlayStation 3(PS3)が10億米ドル,Wiiが21億米ドルだったのに対し,Xbox 360は27億米ドルに達したという。さらに,サード・パーティ製のソフトウエアの売上高に限ると,PS3は9億米ドル,Wiiが11億米ドルであるのに対し,Xbox 360は22億米ドルに達するという。スクウェア・エニックスがFINAL FANTASYの新作をXbox 360に提供する決断を下した背景にも,こうした数字の影響があったとみられる(Tech-On!関連記事)。
<お詫びと訂正> ゲーム・ソフトウエアの売上高について,掲載当初は世界市場での売上高としていましたが,北米市場での売上高の誤りでした。お詫びして訂正いたします。