いわゆる「iPod課金」に反対する人は45.0%——。調査会社アイシェアが行った意識調査でこんな結果が出た(発表資料)。この調査は,内蔵HDDなどにデータを保存するiPodなどの携帯型音楽プレーヤーを私的録音録画補償金制度の対象に含める,とする案が文化庁から出されていることを受けて,独自調査を行ったもの。20代~40代を中心とする同社のサービスの会員に調査を行い,467人から回答を得た。調査期間は2008年6月23~25日である。

 iPodなどの携帯型オーディオ機器に著作権の補償金導入が検討されていることに関してどう思うかとたずねたところ,「賛成」と答えた人は全体のわずか4.9%だった。「反対」と答えた人は半数近くの45.0%を占める。「著作権のためなら仕方がない」と答えた人は24.2%で,「値上げ価格による」と答えた人は25.9%だった。年代別に「反対」と答えた人を見ると,20代で49.2%,30代で46.5%,40代で40.9%と若い年代ほど高かった。この傾向は現在の機器の利用比率に比例している,とアイシェアは説明する。


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 音楽を聞く時に最も多く利用する機器をたずねたところ,最も多かった回答は「デジタルオーディオプレーヤー(iPodなど)」で,32.5%だった。次いで多かったのは「CDプレーヤーなど」の26.8%で,3位は「パソコン」の26.3%。「デジタルオーディオプレーヤー(iPodなど)」と答えた人を年代別に見ると,20代では40.0%,30代では34.0%,40代では30.2%だった。年代別に最も多く利用する機器を見ると,20代と30代では多い順に「デジタルオーディオプレーヤー(iPodなど)」,「パソコン」,「CDプレーヤーなど」となった。40代では「デジタルオーディオプレーヤー(iPodなど)」,「CDプレーヤーなど」,「パソコン」の順位となり,他の年代と差が見られた。

音楽を聞く時に最も多く利用する機器
音楽を聞く時に最も多く利用する機器 (画像のクリックで拡大)

 また,気に入った音楽コンテンツの入手方法を複数回答で聞いたところ,最も多かったのは「CDを購入(自身・家族)」の85.9%だった。2位と3位は,それぞれ「レンタル」の67.9%,「知人から借りる」の42.4%で,上位3位には従来からの入手方法が並んだとアイシェアは説明する。以下,携帯電話以外による「インターネットでダウンロード(有料・課金サイト)」の31.5%,「携帯電話でダウンロード(有料サイト)」の12.0%と続く。一方,違法利用も含まれるとアイシェアが指摘する「インターネットでダウンロード(winnyやMXなどを利用)」は9.4%だった。男女別に見ると,男性は11.5%,女性は7.1%で,男性の方が利用率が高かった。

 さらに,音楽コンテンツをCD-RおよびCD-RWに書き込んだことがあるかとたずねたところ,「書き込んだことがある」と答えた人は全体の76.2%だった。年代別に見ると,20代が81.5%,30代が79.5%,40代が69.8%で,「若い年代ほど,パソコンやデジタルオーディオプレーヤーを使いこなしている人が多い」とアイシェアは分析した。