ずらりと並ぶC7-M ULV搭載の小型ノート・パソコン
ずらりと並ぶC7-M ULV搭載の小型ノート・パソコン
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VIA OpenBookに基づく試作機
VIA OpenBookに基づく試作機
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 台湾VIA Technologies, Inc.のブースでは,同社の低消費電力マイクロプロセサ「VIA C7-M ULV」を搭載した小型ノート・パソコンの完成品や試作品がずらりと並べられている。7型,8.9型もしくは10.2型の液晶パネルを搭載した,重量が1kg前後の機種で,その数は合計で20を下らない。

 注目度は米Intel Corp.の低消費電力マイクロプロセサ「Atom」には劣るものの,もともと低価格機に強いVIA社だけに,Intel社への対抗意識は強い。「消費電力や価格では負けない」(VIA社)とする。

 今回のCOMPUTEXでは,こうしたC7-M ULVやAtomを搭載した小型ノート・パソコンがあちらこちらで見られる。それは,世界で流通するほとんどのノート・パソコンを設計・製造する台湾メーカー(製造地は中国)が小型ノート・パソコンという新市場に本腰を入れている証拠であり,今後激しいパイの奪い合いが起きることを意味する。

仕様公開で短期の開発促す

 VIA社は,2008年5月27日に発表したリファレンス・デザイン「VIA OpenBook」に基づく試作機も展示した(関連記事)。リファレンス・デザインにおける最大の特徴は,筺体のCADファイルの著作権が「Creative Commons Attribution-Share Alike 3.0 Unported License」に準拠すること。パソコン・メーカーなどはそれを自由に利用できるため,開発期間の短縮やコスト削減が期待できる。

 このリファレンス・デザインの想定市販価格は,500米ドル程度。主な仕様は,マイクロプロセサが1.6GHz版のC7-M ULV,チップセットが「VIA VX800」,主記憶がDDR2で最大2Gバイト,記憶装置は80GバイトのHDD,液晶は8.9型。通信機能としてWiMAXやHSDPAなどに対応している。外形寸法は幅240mm×奥行き75mm×厚さ36.2mmで,重量は1kg以下である。