帝人グループで炭素繊維事業を展開する東邦テナックスはこのほど,三島事業所(静岡県駿東郡長泉町)に増設した,炭素繊維「テナックス」の製造ラインを稼働した。生産能力は年間2700tで,帝人グループの生産能力は同1万1800tに高まる。風力発電のブレードや圧力容器など一般産業用途向けに製造する。

 炭素繊維は,航空機用途や風力発電などの一般産業用途向けを中心に年率15%前後の成長を維持し,2010年には総需要で同4万t超と予測される(『日経ものづくり』2008年4月号で特集「炭素繊維を使いませんか。」を掲載)。今回稼働した新ラインは,炭素繊維の生産設備としては「世界最大規模」(同社)。一般産業用途を中心に,今後需要の増加が見込まれる自動車向け部品などの用途も想定している。

 なお,東邦テナックスは現在,100%子会社である独Toho Tenax Europe社で年産1700tの炭素繊維製造ラインを増設している。稼働開始は2009年8月の予定。