韓国Samsung Electronics社は,1Gバイトの大容量フラッシュ・メモリを搭載したSIMカード「S-SIM」において,NFCチップと接続できる専用プロトコル「SWP(single wire protocol)」に対応した製品を,Mobile World Congress 2008に出展した。
同社のS-SIMカードは,大容量のフラッシュ・メモリを搭載することで,SIMカード自体にマルチメディア・コンテンツを格納できる。Samsung社が出展しているカードでは,NFCの制御用チップと接続してデータをやりとりするために,SWPに対応した。SWPは,SIMカードとの間をセキュアに接続するためのプロトコルで,欧州ETSIが標準化に携わっている。
Samsung社の説明員によれば,携帯電話機を使ったモバイル・ペイメントなどの用途において,より安全性を高めるために利用するという。NFCチップとS-SIMカードとのインタフェースがセキュアになれば,暗号化が必要なデータのやりとりなどを,非接触で対応できる。これにより,モバイル・ペイメントの活用が広がるとみている。
(MWC 2008に関するレポート記事を,『日経エレクトロニクス』2008年3月10日号に掲載予定です)