展示の様子
展示の様子
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 OKIは「MWC 2008」で,携帯電話機向けに通話時の音声の質を向上させる技術「eSound」を展示している。この技術を適用すれば,携帯電話機から聞こえてくる音声が直接会話しているかのように聞こえるという。実際には,同技術を備えたICを搭載したり,IPコアをLSIに搭載したりする。あるいはミドルウエアとして実装することも可能だという。既にIP電話機向けなどには開発済み。今回は携帯電話機向けに改良を施したという。

 一般に,人の話し声の周波数は8kHz程度までにも関わらず,電話機やIP電話機,携帯電話機など使われるデータ圧縮方式では300Hz~3.4kHzまでの信号しか再生しない。そのため通話時の音声が劣化する。そこで同社は,受信した音声信号から300Hz以下と,3.4kHz以上の周波数成分を補償して音質を高めている。人の声には複数の周波数成分が含まれており,周波数軸上にピークが複数ある。同社の技術ではこのピークの間隔から,補償する周波数成分を算出するという。

 (Mobile World Congress 2008に関するレポート記事を,日経エレクトロニクス3月10日号に掲載します)