試作したLTE対応の伝送装置。会場で実際に動作を実演した
試作したLTE対応の伝送装置。会場で実際に動作を実演した
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上がLTEによる無線区間を経由した動画像。下が有線ネットワークによる動画像。この条件下でLTEによるレイテンシを確認した
上がLTEによる無線区間を経由した動画像。下が有線ネットワークによる動画像。この条件下でLTEによるレイテンシを確認した
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LTEのレイテンシは10ms〜20ms程度という
LTEのレイテンシは10ms〜20ms程度という
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Motorola社はLTEに関して,チップセットから端末開発,ネットワーク装置,そして基地局装置に至るまですべてを手掛ける方針である
Motorola社はLTEに関して,チップセットから端末開発,ネットワーク装置,そして基地局装置に至るまですべてを手掛ける方針である
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 米Motorola Inc.は,MWC 2008の会場で,次世代移動体通信規格「LTE(long term evolution)」の試作システムを使った,HDTV動画の無線伝送を実演した。

 Motorola社が試作したシステムを使い,1080iのHDTV動画を無線伝送し,大画面テレビに映像を表示させた。2.5GHz帯の帯域に,5MHz幅のチャネルを設けて,3GPP LTE規格に準拠した手法で変調して無線伝送している。

 会場では,同一場所に格納された映像コンテンツを,有線ネットワークで伝送した場合と,LTEによる無線ネットワークで伝送した場合で分けて大画面テレビに表示した。これにより,LTEの無線区間の遅延時間(レイテンシ)を確認するというものである。実演では,LTEのレイテンシは10ms~20msの範囲に常に収まっていた。「3Gでは,100ms以上のレイテンシが一般的だ。LTEは,極めて遅延が少ない点に特徴がある」(Motorola社の説明員)という。会場ではLTEのレイテンシの少なさを強調する意味で,オンライン・ゲーム(自動車レース)をLTEの無線ネットワーク経由で行うという実演も見せていた。

 Motorola社はLTEに関しては,基地局向けの伝送装置を手掛けるほか,端末側や,チップセットなども手掛けていくという。

(MWC 2008に関するレポート記事を,『日経エレクトロニクス』2008年3月10日号に掲載予定です)