無線LANに接続できる環境に移動し,ネットワーク環境をチェックしてみた。ESS-IDを隠す機能を使っていると,接続するにはちょっとマニュアル設定が必要なので,とりあえずESS-IDを隠さないように無線LANを変えた。
メッシュ・ネットワークではなく,無線LANのインフラストラクチャ・モードに接続するには,「Neighborhood」アイコンをクリックする(図1)。鍵のマークが付いている円が,WEPキーで保護されたネットワークを示している。ネットワークをクリックして,WEPキーを入力するとネットワークにつながる。
ここでBrowserを起動して,日本語が表示できるかを確認した(図2)。Tech-On!のサイトである。ご覧いただければ分かるように,明らかに日本語が正しく表示されていない。標準では日本語フォントが入っていないことが分かる。Flashコンテンツに関しては,デフォルトでは表示されないようになっている。おそらくは,あまり回線が安定していない環境での利用を想定し,重たいコンテンツの再生を避けるためだろう。念のためYouTubeにアクセスして,Flashビデオを再生できるかどうかをチェックしてみたが,相当重たく,なかなかダウンロードが完了せず,ほかの操作をした時点でハングアップしてしまった。Flashコンテンツの再生用としては,Gnashと呼ぶオープンソースのFlash互換プレーヤが標準搭載されている。
次に,オフィス関連のオンライン・サービスを利用できるかどうかをチェックした。まず,Gmailを操作してみる(図3)。受信ボックスの表示や,受信したメールは適切に表示できる。メール作成に関しても,Rich formatting機能をはずしてプレーンなテキスト編集画面にすれば問題なく利用できる。ところが,HTMLメールとして装飾が可能なRich formatting機能を有効にすると,キャレットが表示されず,どこを編集しているのかが分からなくなってしまう。
続いてGoogle Docsを試す。ワープロ文書を新規に作成してみた。一見すると問題なく使えていそうだが,よく見るとキャレットが表示されていない。Gmailのときと同じような現象だ。どこを編集しているのかがわかりにくい。このため,事実上まともには使えそうにない。それ以外は特に問題がないため,少々惜しい。また,ファイル名を変更するような,ダイアログ・ボックスを表示させる処理については,うまく表示できなかった。Sugarが採用しているウインドウ・システム「matchbox」が,マルチウインドウ形式ではないためだろう。Google Spreadsheetでも同様で,通常使用している分には問題はない(図4)。しかしファイルを保存する際にファイル名を指定するダイアログ・ボックスが表示できない。新規作成ではなく,メールなどを通じて送られてきたファイルを編集するには問題なさそうだが,ちょっと使いにくいという印象がある。
そこで趣向を変えて,別のサービスを利用してみた。「Zoho」である。ワープロ・ソフトの「Zoho Writer」では,キャレットが表示されている。しかしよく見ると,レイアウト関連の機能が使えない(図5)。また,Google Docsと同様,ファイルを保存しようとしても,ファイル名を指定する画面が出てこない。Zoho Sheetの場合,ファイル名を指定するエリアが同じ画面上にあるため,ファイル名を指定して保存することができた(図6)。このようにサービスの作り方によっては,特別な問題がなく利用できるものもある。
以上から分かるのは,BrowserのJavaScript関連の互換性はかなり高そうだということ。Firefoxと同じレンダリング・エンジンを使っているだけのことはある。ただしウインドウ・システムの制約から,ダイアログ・ボックスを表示させる機能を利用しているものは使えないということである。また,Flashコンテンツも表示できるが,動画など大量のデータを処理しなければならないものに関しては少々プロセサの力不足が感じられた。