今回の製品を実現したカギを握る超薄型電源基板の分析を終えた日経エレクトロニクス分解班(Tech-On!関連記事)。実は,表示部の厚さ35mmを実現したカギを握る部品はもう一つある。そう,バックライトである。従来の液晶テレビに搭載していたバックライトに比べて約1/2に薄くしたと日立製作所が説明していた,あのバックライトだ。
バックライトにたどり着くための道のりは長い。まず,液晶パネル・モジュールの背面に整然と取り付けられた各種の基板類を取り外す(図1)。次に,液晶パネル・モジュールのベゼルを外す。すると,32型の液晶パネルが姿を現した。6個のソース・ドライバICがTAB(tape-automated bonding)を介して実装されている(図2)。
パネル・モジュールが薄いだけあって,パネル側面に配置されている駆動回路基板がやけに小さいなぁと感心しつつ,液晶パネルを取り外してみる(図3)。すると,ついにバックライト・ユニットが顔を出した。見えるのは,光学シート類だ。
光学シート類の下に隠れている光源にも興味があるが,まずは,この光学シート類の構成を確かめてみることにした。バックライト・ユニットを固定しているベゼルを外して,光学シート類を取り出してみる。
「4枚か」――。
分解に立ち会った,あるバックライト・メーカーの技術者はつぶやいた。
取り出した光学シート類は,2mmほどの厚みがある拡散板と,その上に配置する4枚のシートで構成されていた(図4)。技術者は,「通常は,拡散板の上に2~3枚のシートを配置する」と前置きし,今回4枚使っている理由や,それぞれのシートの機能について,分析を始めた。
さらに詳しい内容は、日経エレクトロニクス1月28日号に掲載予定。