韓国Seoul Semiconductor Co., Ltd.は2007年12月5日,自社の米国特許「US 5321713」が日亜化学工業に侵害されたとして,米国の国際貿易委員会(International Trade Commission:ITC)に12月4日付けで訴状を提出したと発表した(発表資料)。

 US 5321713は,サファイアなどの基板に形成したAlGaNの結晶を用いたレーザ素子の製造方法に関する特許。Seoul Semiconductor社は,日亜化学工業のGaN系レーザ・ダイオード製品がこの特許を侵害しており,同製品の米国国内の輸入および販売が不公正貿易行為に該当すると主張する。

 日亜化学工業とSeoul Semiconductor社は2006年1月から,白色LEDを巡って互いに訴訟合戦を続けている(関連記事)。

 Seoul Semiconductor社によれば,US 5321713は,米国特許「US 146465」と共にSeoul Semiconductor社が2007年7月に米国テキサス州東部連邦地方裁判所に日亜化学を特許侵害で提訴した際の根拠となる特許だという。今回は,US 5321713だけをITCに持ち込んだ格好である。Seoul Semiconductor社はさらに2007年11月6日に,米国特許「US 5075742」を根拠に,日亜化学工業を米国テキサス州東部連邦地方裁判所に特許侵害で提訴している。

 これらの件について日亜化学工業は「一連の米国特許はSeoul Semiconductor社の独自開発技術ではなく,同社が第3者から購入したもの」「(US 5075742の)権利移転登録は,訴訟の提訴日である11月6日当日に行われた」「当社の如何なる製品もこれらの特許の権利範囲に入るものではなく,また本件特許には複数の無効理由が存在すると考えている」と,主張する。

 これに対しSeoul Semiconductor社は「(これらの米国特許は)特許ポートフォリオの構築戦略で確保した」などと第3者から購入した事実関係について認めた。ただし,日亜化学工業を攻撃するのがそもそもの目的,という見方については否定した。

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