図1◎コンセプトカー「metroproject quattro」
図1◎コンセプトカー「metroproject quattro」 (画像のクリックで拡大)

 ドイツAudi社は、第40回東京モーターショーに出展したコンセプトカー「metroproject quattro」にプラグインハイブリッドを搭載した。排気量1.4Lの直噴ターボエンジン「TFSI」で前輪を駆動、モータで後輪を駆動する4輪駆動とした。リアに家庭用電源から充電できるLiイオン2次電池を搭載し、モータのみで最長100kmの走行が可能となる。変速機はパドルシフト付き自動MT(AMT)「S Tronic」を採用した。

 エンジンは、最高出力が92kW(125PS)の「A3」の1.4L TFSIエンジンを改良し、110kW(150PS)/5500rpmに高めた。最大トルクは240N・m/1600~4000rpm。モータは出力が30kW(41PS)、トルクは200N・m。最高速度は210km/hで、モータのみの走行では100km/h。停止状態から100km/hまで7.8秒で加速する。モータのみでの走行のほか、加速時のモータアシストや回生ブレーキ、アイドリングストップ機能などにより、燃費は20.4km/Lで、CO2排出量は平均112g/kmとした。モータ走行において電池の充電量が20%を下回るとエンジンが作動する。サスペンションは、フロントがマクファーソン式、リアが4リンク式とした。ダンパは磁性流体を用いた「Magnetic ride」を採用した。

 「drive select」機能を採用し、エンジンやシフトの特性、Magnetic rideの減衰力などを変え、「dynamic」モードと「efficiency」モードの2種類の走行モードを切り替えられる。エンジンを始動するとefficiencyモードで作動し、燃料消費と排ガスを低く抑える。モータは、トルク追加を目的にエンジンと連動して作動することはない。走行ルートに沿った高低差を検出するカーナビの機能を使って、エネルギを回生できる下り坂や追加エネルギが必要な上り坂を走行前に計算し、燃料消費を低減するためモータを効率良く使用する。また、efficiencyモードでは、エアコンのコンプレッサなど大量にエネルギを消費するシステムの停止や開いているウインドーを閉めるように警告をディスプレイに表示する。dynamicモードでは、Magnetic rideの磁性流体を低い粘度にするほか、エンジンとモータを同時に作動して加速性を高めるなど、スポーティーな走行に対応する。

図2◎エンジンルーム
図2◎エンジンルーム (画像のクリックで拡大)
図3◎コンセプトカーでは、荷室の床面が一部ガラスパネルになっており下のモータを見せている。
図3◎コンセプトカーでは、荷室の床面が一部ガラスパネルになっており下のモータを見せている。 (画像のクリックで拡大)

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