送られてきた資料をみると,この製作基板の機能概要として,三つの機能が記されている。つまり,

(1)12KEY(KEY MATRIX)で音階を発生し,スピーカから出力する。
(2)3軸加速度センサーの出力を利用し,3色LEDを点灯。LED点灯出力は,PMWで行う。ボードの位置で,3色LEDが7色にて点灯する。
(3)8ビットの入力ポート,主力ポートで基本的な入出力を行う。

 工作なので,ある程度おもしろいものを作ることができれば良いとは思っていたが,いきなり三つのことを一度にするとは考えてもいなかった。割り込みなどを多く使えば,どうにか一つのプログラムにまとまるのだろうか。何よりも,一人で解決できるのだろうか。

 筆者とすれば,できたら一つの機能に絞って開発を行いたい。さらに絞るのであれば,音が出るものを作ってみたい。子供でもピアノのように興味を持ってもらえるのではないか。そこで,今回は(1)の音を出す部分だけを工作するということにした。

強い味方が社内に

 これでおそらくプログラムは簡単になるはず。とはいえ,プログラミングをする前にこの基板を作らなくてはならない。もちろん,基板を作るなどは初めての経験。それ以前に,どこに行ってどう買ったらよいか分からない。ここで思い出したのが,弊社の広告企画部門に在職している同僚の存在。確か,以前は某電機メーカーで技術者だったはず。仕様書と基板を持って,彼の席を訪ねて聞いてみると,まさに以前はマイコンのプラグラムを書いていたとのこと。

図2●今回の工作に関係する回路図
図2●今回の工作に関係する回路図 (画像のクリックで拡大)

 これ幸いと,これまでの経緯を説明。何とか頼んで元技術者の同僚にお買い物リストを作成してもらう。以下がそのお買い物リストだ。仕様書に付いている回路図から目的とする電子部品を特定できるらしい(図2)。

<部品>
ダイオード12個,タクトスイッチ12個,圧電ブザー(スピーカ),可変抵抗,ユニバーサル基板,リード線少々
<工具>
はんだごて,こて台,はんだ,ニッパー,ラジオペンチ,ワイヤーストリッパー,メッシュ

 電気工作は初めてなので,電子部品と一緒に工具も購入することにした。そしてこれらの部品や工具を買う場所はというとそれは秋葉原。筆者も,秋葉原駅前にあるラヂオ会館といった存在は知っていたので場所の想像は大体付いていた。この程度の買い物であれば,全てが揃う専門店もあるとのこと。

 ただし,一人で行くと間違ったものを買ってしまう可能性が大。さらに拝み倒して,元技術者の同僚とともに秋葉原に向かう。(次のページへ