インクジェットによる方法
インクジェットによる方法
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薄膜技術による方法
薄膜技術による方法
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 KOAは,LTCC(低温同時焼成セラミックス)に微細配線を形成する2種類の技術をCEATEC JAPAN 2007で紹介した。一つはインクジェット技術で,もう一つが半導体製造に用いられる薄膜技術である。

 KOAによれば,現在のLTCC製品の配線形成に用いられているスクリーン印刷では,配線幅/間隔を50μm/50μmより細くすることが難しいという。加えて,スクリーン印刷ではマスク・コストがかかるという問題もあるとする。

 まず,前者のインクジェット技術を利用することで,「LTCCの配線幅/間隔を30μm/30μmにできる」(KOA)という。KOAは配線幅/間隔が30μm/30μmの配線を形成したLTCCを見せた。直径がnmオーダーのAgナノ粒子をインク材料として用いる。KOAはインクジェット技術を用いたLTCCの微細配線の形成について,セイコーエプソンと協業しており,今回展示したものもその成果である。KOAは,インクジェット法による微細配線の形成技術について,「2008年度中には試作を受けられるようにしたい」(KOA)としている。

 また,後者の半導体製造の薄膜技術を用いることで,LTCCの配線幅/間隔を10μm/10μmにできるとする。LTCC基板はSi基板などに比べて,表面が粗いため,特別な工夫を施さずに薄膜プロセスを使用した場合,「配線パターンがガタガタ,ジグザグになりやすい」(KOA)という。この問題の解決に向けて,KOAは,「さまざまな手法を試すことで最適な薄膜パターニング法を見出した」(KOA)としている。ただし,この薄膜配線技術については,「現在,ようやく配線パターンを形成できた段階であり,実用化時期については未定」(KOA)という。

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