展示品
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 ロームは,200℃以上でも容量がほとんど低下しないコンデンサを開発した。200℃といった高温化で使用するインバータ・モジュールでの利用に向ける。例えば車載用途に向けたSiC素子を利用するインバータ・モジュールへの搭載を想定する。「一般的なコンデンサの耐熱性は175℃程度,200度以上になると容量が下がり高温下での利用は難しい」とする(説明員)。抵抗やインダクタなどは200℃でも特性を維持できるものがある一方,200℃といった高温下ではコンデンサの容量の変化が課題となっていたという。

 展示パネルでは,開発品とX7Rタイプと呼ばれる積層セラミック・コンデンサと比較している。例えば250℃の場合,X7Rタイプは初期容量から70%低下するが,開発品はほとんどない変化しないとする。

 今回,耐熱性の高い材料を使用したことと,パッケージ構造に最適化を図ることで,温度に対する容量の変化を抑制した。具体的な材料名は明かさないものの,「コンデンサでは使用例がない材料」(説明員)とする。ただし,この材料はコンデンサ以外の分野で利用しており,「特殊なものではない」(同)という。パッケージにはセラミック材料を用いる。

 開発品の容量は0.1μFで,雑音除去での用途を想定する。今後は1μFまで容量を増やし,車載用デカップリング・コンデンサでの利用を目指す。200Vの電圧下でも破壊されないという。リーク電流も抑制しており,電界強度が300V/μmで100pA/mm2程度である。外形寸法が18mm×18mm×2mmと9mm×8mm×1.5mmの2種類を展示している。いずれも端子を含んだ値である。

 製品化時期は未定。今回の展示によって顧客の要求を探ってから製品化時期を考えたいという。

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