図1 伝送経路を閉ざさない場合
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図2 伝送経路を閉ざした場合
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図3 受信モジュール付近の筐体。円筒形の突起が見える
図3 受信モジュール付近の筐体。円筒形の突起が見える
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図4 有線で映像信号を伝送する試作機。円筒形の突起は見られず,空洞になっていた
図4 有線で映像信号を伝送する試作機。円筒形の突起は見られず,空洞になっていた
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 シャープが2007年8月22日に公開した液晶テレビの試作機はミリ波通信を使って,いわゆるフルHDの映像信号をディスプレイ部に送信する機能を備える。この試作機は52型の大型液晶テレビでありながら,厚さは主要ディスプレイ部が20mm,最厚部でも29mmと薄く,壁掛けといった設置の自由度は高い(Tech-On!関連記事)。さらに,「周辺技術として配線をスッキリとさせるために,フルHD映像を無線で伝送する技術を新たに開発した」(同社)ことで,設置自由度が一層高まるという。その無線伝送に用いたのが,60GHz帯のミリ波を使って映像を非圧縮で無線伝送する技術である。試作機の発表会場では,ディスプレイに配置した受信部と,床面に配置した送信部の間に手をかざし,映像信号を本当に無線伝送していることを披露した(図1,2)。「今回の開発により,薄型テレビは性能・機能の競争から,生活空間をより美しく楽しくすることが求められる時代になる」(同社)と主張する。

 ディスプレイに搭載するミリ波通信の受信モジュールは,ディスプレイの下部に配置する(図3)。筐体外部にアンテナらしき円筒形の物体が見えていた。シャープがこれまで開発してきたミリ波通信用のモジュールは,半円形レンズ・アンテナを用いてきた。2007年7月に開催した「シャープ 電子デバイス展 2007」でもミリ波通信を使った映像伝送をデモンストレーションしていたが,ミリ波通信用モジュールはレンズ・アンテナを使っていた。今回はその詳細を明らかにしなかったが,筐体の形状をスッキリとさせるために新形状のアンテナを開発したとみられる。なお,今回公開した試作機には,有線で映像信号を伝送するものもあった。有線伝送する試作機ではミリ波の受信モジュールが収まる部分が空洞になっていた(図4)。

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