松下電器産業は,薄型テレビ「VIERA」の新製品7機種を2007年9月1日に発売する。最上位機種は,ブロードバンド回線に接続することで,インターネット経由でテレビに直接映像を配信できるVOD(video on demand)サービス「アクトビラ ビデオ」に対応する(Tech-On!関連記事)。リモコンにアクトビラ専用ボタンを備えており,簡単に映像を楽しめる。アクトビラ ビデオが用意する2種類のコンテンツのうち,フル画面でHDTV映像を視聴できる「アクトビラ ビデオ・フル」にも対応する。

記者会見で披露した新製品
記者会見で披露した新製品 (画像のクリックで拡大)

最上位機種はアクトビラ ビデオに対応する
最上位機種はアクトビラ ビデオに対応する (画像のクリックで拡大)

パネル寿命は10万時間に

 新製品7機種のうち,6機種はPDPテレビである。42型から65型までの,いずれもいわゆる「フルHD」対応(1920×1080画素表示)品。パネル寿命(初期の白輝度が半減するまでの時間)として約10万時間を実現した。従来品は約6万時間だった。蛍光体の材料や塗布プロセスを見直し,蛍光体表面の結晶性を高めたことで実現したとする。従来は,蛍光体の結晶欠陥が寿命低下の要因になっていたという。

蛍光体表面の結晶乱れが寿命低下の要因だったとする
蛍光体表面の結晶乱れが寿命低下の要因だったとする (画像のクリックで拡大)

蛍光体の結晶性を改善することで,寿命を向上させた
蛍光体の結晶性を改善することで,寿命を向上させた (画像のクリックで拡大)

 コントラスト比は1万対1。予備放電の駆動電圧を細かく制御するアルゴリズム「新 リアルブラック駆動」を開発し,黒輝度を従来より抑え込んだ。

 アクトビラ ビデオに対応する最上位機種は65型,58型,50型,42型を用意する。価格はオープンだが,市場想定価格はそれぞれ,99万円,70万円,53万円,43万円。標準機種は50型と42型を用意,市場想定価格はそれぞれ45万円,35万円である。

37型で初めての液晶テレビ

 1機種は,液晶テレビである。37型のフルHD品で,「IPS αパネル」を採用した。「37型以上はPDP,32型以下は液晶」といった方針を貫いてきた松下電器産業として,37型で初めての液晶テレビとなる(Tech-On!の続報)

 120Hz駆動を採用し,動画視認性を高めた。アクトビラ ビデオには対応しない。市場想定価格は30万円である。

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