フィンランドNokia Corp.は2007年5月24日,米QUALCOMM Inc.のチップセットがNokia社の保有する6件の特許を侵害しているとして,米国ウィスコンシン州西部地区連邦地裁に提訴したと発表した(発表資料)。同年4月2日にQUALCOMM社がNokia社を相手取り,同連邦地裁で起こした訴訟を受けてのもの(Tech-On!の関連記事)。Nokia社は,損害賠償とQUALCOMM社のチップセットの差し止めを求めている。

 今回の提訴においてNokia社は,同社の保有する特許がQUALCOMM社のGSM/WCDMAおよびCDMA2000チップセットで不正に使用されていると主張する。同特許は,シームレスなローミングを可能にするマルチモード/マルチバンド技術や,携帯端末およびチップセットのサイズやコスト,消費電力を低減する技術などに関連するという。

 過去19ヵ月間に渡り, QUALCOMM社はNokia社に対して11件の特許侵害訴訟を起こし,損害賠償と差し止めを求めてきた。Nokia社は今回の訴えを,「QUALCOMM社が我社の技術を不正に使用していることに対する初めての行動」と説明する。

 なお,Nokia社は2007年4月にQUALCOMM社がウィスコンシン州西部地区連邦地裁に訴えた特許侵害ついて,「Nokia社の製品はQUALCOMM社の特許2件をいずれも侵害しない」と確信しており,どちらの特許も無効であると主張している。