米QUALCOMM Inc.は,同社の特許権を侵害しているとして,フィンランドNokia Corp.を提訴した(発表資料)。テキサス州東部地区連邦地裁とウィスコンシン州西部地区連邦地裁で訴えを起こしている。

 テキサス州東部地区連邦地裁では,GPRS方式およびEDGE方式の携帯電話のデータ通信サービスに関する技術を訴えている。QUALCOMM社は,Nokia社がアプリケーションやデジタル・コンテンツのダウンロードに関わるQUALCOMM社の米国特許を侵害していると主張する。対象となる米国特許番号は「7,113,776」「7,065,388」「7,139,559」。また,ウィスコンシン州西部地区連邦地裁への訴えでは,GSM方式の携帯電話機の特定の機種に使われている音声の符号化技術が,QUALCOMM社の特許を侵害しているとする。対象となる米国特許番号は「7,184,954」「6,205,130」。QUALCOMM社は,Nokia社の端末の販売の差し止めと,既に販売した端末に対する損害賠償を求めている。

 QUALCOMM社は今回の訴訟について,Nokia社が使用料を支払うことなく,同社の特許技術を使用するのを防ぐ国際的な取り組みの一環だと説明する。QUALCOMM社は,以前にも米国において,GSM方式/GPRS方式/EDGE方式の携帯電話機に関する2件の特許侵害訴訟をNokia社に対して起こしている。加えて,英国,フランス,ドイツ,イタリア,中国でも同様の訴訟を係争中である。