Hong Kong Electronics Fair 2007の紹介記事はこちら:

 「Hong Kong Electronics Fair 2007」(HKEF)では,表面実装や組み立てを担うEMSから,金属やプラスチックの成型まで,いわゆる「ものづくり」を担う企業がブースを構えていた。

 HKEFに登場するような安価な電子機器を設計・開発するには,高い技術力を持つものづくり企業を見つけ出し,使いこなすことがカギになる。ものづくり企業が集結した展示領域では,表面実装を施したプリント基板を展示したり,金属やプラスチックの筐体のサンプルを展示するなどして,各社が技術力をアピールしていた。

 では日本企業は,こうしたEMS企業を十分に使いこなしているのか。「日本の大手企業が中国のEMSに作らせた製品は,我々のような地元の中小企業がEMSに作らせたものより品質が落ちることが多い」。携帯電話機やゲーム機の周辺機器を設計・販売する中国企業の責任者は,こう証言する。

 「我々のような中小企業がEMSに発注できる生産数は,せいぜい1万個ほど。この1万個を生産するあいだ,我々は1人の技術者をEMS企業の生産ラインに張り付け,品質をチェックする。特に日本やフランスあたりのバイヤーの目は厳しいので,こちらも手が抜けない」(ブースの責任者)。これに対して日本の大手企業は,10万個かそれ以上の規模で製品を発注できる。にもかかわらず,生産時に品質をチェックする要員が,中小企業と同じ1人か2人しかいない場合が多いという。「これではよほど優秀なEMS企業に頼まない限り,品質を維持するのは難しいのではないか」とブースの責任者は指摘した。

【訂正】当初掲載した記事では,表面実装を扱う企業のサンプル展示について,不正確なデータを載せていました。本記事では既に削除してあります。お詫びして訂正いたします。

東莞に工場を持つ香港Jackson Electronic Plastic社は,材料が異なる2種類の樹脂を同時に成型する「2色成型」を専門とする。同社のブースには,筐体とそのクリア層を同時に成型して光沢を出す技術の応用として,ソニーの携帯型ゲーム機「PSP」の筐体を展示していた。ただし,写真撮影の許可はもらえず。
東莞に工場を持つ香港Jackson Electronic Plastic社は,材料が異なる2種類の樹脂を同時に成型する「2色成型」を専門とする。同社のブースには,筐体とそのクリア層を同時に成型して光沢を出す技術の応用として,ソニーの携帯型ゲーム機「PSP」の筐体を展示していた。ただし,写真撮影の許可はもらえず。
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東莞,蘇州,恵州に工場を持つ香港Fine Chit Metal Manufactory社は,中央部を湾曲させ,さらに鏡面加工で仕上げたステンレス筐体を展示した。このほか,日本の有名ブランド品の筐体を多数展示し,技術力をアピールしていた。
東莞,蘇州,恵州に工場を持つ香港Fine Chit Metal Manufactory社は,中央部を湾曲させ,さらに鏡面加工で仕上げたステンレス筐体を展示した。このほか,日本の有名ブランド品の筐体を多数展示し,技術力をアピールしていた。
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