世界中からバイヤーが集まる「Hong Kong Electronics Fair」
世界中からバイヤーが集まる「Hong Kong Electronics Fair」
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HKEFの会場は,前年に引き続きHong Kong Convention and Exhibition Centere(HKCEC)。会場内では,展示用ホールだけでなく廊下,会議場,はては劇場の舞台に至るまでブースで埋め尽くされた。
HKEFの会場は,前年に引き続きHong Kong Convention and Exhibition Centere(HKCEC)。会場内では,展示用ホールだけでなく廊下,会議場,はては劇場の舞台に至るまでブースで埋め尽くされた。
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ブース内部では,バイヤーが活発に商談する。
ブース内部では,バイヤーが活発に商談する。
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 2007年4月14日,出展者数でアジア最大規模を誇る電子機器見本市「Hong Kong Electronics Fair(Spring Edition)」が開幕した。5万3390m2の敷地面積に,中国・台湾・香港を中心とする2406の出展者がひしめく。その顔ぶれは,自社ブランドを持つ機器メーカーに加え,EMS企業,ODM企業,部品メーカー,商社など様々である。

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 出展商品は「あらゆる電子機器」。AV機器だけみても,薄型テレビ,ポータブルDVDプレーヤー,デジタル・カメラ,デジタル・ビデオ・カメラ,デジタル・フォト・フレーム,PND(portable navigation device)がずらりと並ぶ。いずれも,有名ブランド品より機能を絞ることで,価格を大幅に引き下げている。

 このためHKEFには,安価な電子機器を調達しようと,世界各国からバイヤーが押し寄せる。その国籍は,欧米各国のほか,インド,南アフリカ,ドバイなど多種多様である。会場のそこかしこで,ターバン姿のバイヤーが「この筐体で,この値段はちょっと高いんじゃないか?」などと活発に商談を繰り広げていた。

 商談における価格交渉の単位は米ドル。一般に500~1000個単位での取引になる。一定量以上購入すれば,筐体の色の変更といったカスタマイズに対応できることがある。

日本の量販店向けにも調達

 HKEFには,もちろん日本からのバイヤーも訪れる。高い技術を持つ企業をHKEFで見つけ出し,取引関係を結ぶ。家電量販店向けに製品を調達するバイヤーによれば,HKEFでは日本でお目にかかれないアイデア商品を豊富に探し出せるという。「例えばヨドバシカメラなら,『ヤマダ電機さんにはない独自のアイデア商品』を店頭に出したい。だから,他の量販店には出さない独占契約を結んで調達する」。

 HKEFで調達した製品は,家電量販店のほか,ネット販売や小売店を通じて販売する。「ネット販売でのみ扱う製品は,意外と値崩れしにくい」(日本人バイヤー)。むしろ,日本の家電量販店の方が製品の入れ替えが激しく,価格が下落しやすいという。「その意味では,家電量販店に頼る機器メーカーの方が,利益が出にくいかもしれないね」と,そのバイヤーは締めくくった。

 HKEFの開催期間は,4月14日から17日までの4日間である。