日本アルカテル・ルーセントの経営陣。左から代表取締役COOのMartin Jordi氏,代表取締役社長の藤田聰氏,取締役副社長兼営業本部長の高橋敏夫氏
日本アルカテル・ルーセントの経営陣。左から代表取締役COOのMartin Jordi氏,代表取締役社長の藤田聰氏,取締役副社長兼営業本部長の高橋敏夫氏
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 日本アルカテルと日本ルーセント・テクノロジーが合併し,日本アルカテル・ルーセントが2007年4月1日に誕生した。2006年12月,仏Alcatel社と米Lucent Technologies社が合併し,仏Alcatel-Lucent社が発足したことを受けたもの。AlcatelとLucentの2006年の売り上げを合わせると183億ユーロ(約2兆9280億円)。米Cisco Systemsのほぼ同時期(2006年2月~2007年1月)の319億ドル(約3兆6961億円)に迫る巨大ネットワーク・ソリューション・ベンダーの日本法人が登場したことになる。

 新会社の代表取締役社長には,日本ルーセント・テクノロジーの代表取締役社長だった藤田聰(さとし)氏が就任した。同氏は既に2006年12月から日本アルカテルの代表取締役社長を兼務していた。藤田社長は新会社が特に力を入れたい分野として,無線通信を筆頭に挙げた。「国内のワイヤレス(移動体通信)市場は新しい時期に来ている。次世代のモバイル・ネットワークをキャリアと連携を深めて,提供していきたい」とする。

 代表取締役チーフ オペレーティング オフィサーに着任したMartin Jordi氏は「ArcatelとLucentの製品は補完的だ」と強調した。例えば「CDMA技術はAlcatelは持っていなかったが,Lucentは持っている。LucentのCDMA技術の高さは,米国有数の携帯電話会社,米Verizon Wireless社がLucentのCDMA2000 1xEV-DO製品を採用していることでもおわかりいただけるだろう。一方,AlcatelはWiMAXでリードしていて,日本のアッカ・ネットワークスと組んで実験を進めている(関連記事)」。Jordi氏は「テレコムもIPも熟知している企業が生まれた」と今後の事業展開に自信を見せた。