UMB(Rev.C)のデモ
UMB(Rev.C)のデモ
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モバイルWiMAXの通信機能を備えた自動車
モバイルWiMAXの通信機能を備えた自動車
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 カナダNortel Networks Corp.はCTIA Wireless 2007で,同社がいずれも「4G技術」と呼ぶ3種類の無線通信システムの実演を公開している。3種類のシステムは,UMB(ultra mobile broadband)とも呼ぶCDMA2000 1xEV-DO Revision C(Rev.C)の草案,W-CDMAの後継仕様であるLTE(long term evolution),および無線LANから派生したモバイルWiMAXである。

 このうち,特にRev.CとLTEのデータ伝送速度は,Nortel社によれば,Rev.Cが10MHz幅のチャネルで2×2 MIMOを用いて下り最大18Mビット/秒,上り最大8Mビット/秒。LTEが上り下りそれぞれ5MHz分のチャネルと2×2 MIMOを用いて下り最大20Mビット/秒,上り最大10Mビット/秒であるという。伝送速度の上では二つのシステムに大きな違いはない。

 Rev.Cは仕様上では,4×4 MIMOと40MHz(割り当て比率は上りと下りで1:1)のチャネルを用いた場合に最大データ伝送速度が290Mビット/秒前後が可能なシステム。今回のシステムはFPGAを基にしたもので,「米QUALCOMM Inc.と共同で開発した」(Nortel社)という。実際,デモンストレーションの内容は今回の展示会でのQUALCOMM社のデモによく似ている(関連記事)。

 LTEは,下りにはモバイルWiMAXと同じ多元接続方式のOFDMAを採用する一方で,上りは変調方式はOFDMを用いながら多元接続方式には「SC-FDMA(single carrier frequency division multiple access)」技術を利用したシステムである。「基本的に(W-CDMAの仕様を策定した)3GPPの仕様に基づいている」(同社)という。LTEの「端末」には,Nortel社が機器の開発で協力関係にある韓国LG Electronics社のものを用いた。ただし,大きさは大型のビデオ・デッキほどもある。